
入れそうな個所はたくさんあるのだが、どこもかなり狭い。
匍匐前進しながら、ずるずると内部へ入り込んでいく。

内部には広い空間が広がっていたが、第2工区に比べると、やや雑な作りだ。
壕床には崩落した瓦礫が転がっており、でこぼこして歩きにくい。

天井部分にたくさんの碍子が残されていた。
ここから壕内に分岐していたのだろうか。

碍子がおかしな状態でぶらさがっていた。
誰かがいたずらでぶら下げたのかはわからないが、少なくとも当時の設置状態ではないだろう。

壕内はそれほどじめじめしている訳ではないが、各所に水溜りができていた。
一応、側溝は構築されているのだが、そもそも壕床がでこぼこになってしまっているので、上手く機能していない。

壕口近くにたくさんあったゴミも、奥へ進んでいくとほとんど無くなった。
幅 2.5m、高さ 2m程度の坑道が続く。

ちょっと広くなった壕床に、いくつもの掘り込みがあった。
建物の基礎部分だろうか。

この壕は、坑道の断面が一定ではなく、先ほどまで弧を描いていた天井部分が、いつのまにか平らになっていた。
2層目部分の壕ほどかっちりとはしていないが、丁寧な堀込みだ。
両側には側溝も掘られている。

奥の方にはかなり広い空間が広がっていた。
天井まで 5m程度はありそうだ。

貯蔵庫のようないくつもの大きな空間が広がっているのだが、この空間は直接外部とはつながっていない。
坑道を辿って外へと向かうしかないのだ。
こんな奥の広い空間が外部と接合されていないのは、珍しいのではないか!?

ちなみに第1工区は左下のブルーの部分であるが、内部を歩くと、壕内図ほどまっすぐでは無い気がした。

本坑と本坑は、枝坑により接続されている。
比較的よくある光景ではあるが、自分的にはかなり萌える構築だ。

盛大な水溜りの中を、板を足がかりにして進んでいく。
車に戻れば長靴はあるが、頑張ればまだ進めるようなので、このまま進む。

当時はどうやって水を排出していたのか疑問になるほど、外部との接続が無い坑道が続く。

戦後のゴミ以外、ここまでめぼしい遺留品は無かったが、ここにきて海軍食器を発見。
ホーロー製のありがちな物だったが、状態はなかなか良い。
錨マークは旭日入りの物だった。

ほかにも電球が発見されたが、これも稼動時の物なのか?
GENERAL ELECTRIC社の電球自体、壕内で発見したのは初めてである。
発見される電球はマツダかエビス以外見たことが無い。
しかも、この電球は 120V仕様だ。
もちろんフィラメント式の電球であるから、 100Vでも点灯するが、もしかしたら米軍接収時の残骸かも知れない。

一見、隠し通路のように見えたのだが、何かを塞いでいる訳では無さそうだった。
以上、第1工区の内部を回ってきたが、壕内が荒れている印象が強かった。
壕口付近のゴミもかなりあるし、各所の崩落もある。
また、水没(水溜り程度ではあるが)箇所があることも、そう思わせる原因だろう。
ただ、出入りの困難ささえクリア出来れば、壕内に危険な箇所は少ないと思う。
貝山緑地には、貝山地下壕の第1工区、第2工区、第3工区、そして上部に3つの壕があるのを確認したが、それ以外にも未発見の壕があるかも知れないので、今後とも調査を続けて行くつもりである。
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