上部にある3つの壕もその一つだが、今回紹介する壕は、それとはまた別の壕だ。
週末、またまた三重県からここ横須賀の貝山地下壕へと潜りにきたのだ。

非常に狭い壕口から泥だらけになりながら内部へと入ると、そこには想像以上に広い空間が広がっていた。
この壕は、ここ貝山にある他の壕と同様に、非常に丁寧に掘削されているのだが、この壕には他の壕には無い特徴があった。
その一つが、屋内トイレ。
壕口付近にトイレの基礎が残っている壕はあるが、壕内にあるのは珍しい。
知る限りでは、横須賀の船越地下壕とここぐらいである。

また、主坑道の壕床には、溝のような物が掘られている。
排水用途とは明らかに構造が違うが、目的は分からない。

天井部分に残っている碍子。

なだらかなS字構造となっている主坑道。

主坑道に面するこの部屋には、当時、吸音材が天井部分全体に巻かれていたのだろうか、無数の釘が打ち込まれている。

奥へと進んでいくと、水没区間の先に崩落か埋め戻しの跡がある。
上部に隙間が開いているので行ってみた。

水没区間を越え、隙間から奥を覗いてみると、右側は山肌に続いているらしく壕口があったようだ。
しかし、現状は土砂に埋もれこちらには進めない。
また、前方は更に激しく水没しておりこれ以上進む事は困難であった。

とりあえずこの壕から脱出し、次なる壕へと進む。

次の壕の壕口も、薮の中だ。

内部から壕口に向けて、排煙用の煙突を設置していたようで、壕の一部がくり抜かれている。

壕の中で、大きなスパナを発見。
かなり大きい。
22ミリくらいかな。

他にも、T型レンチ等が発見されたが、壕の位置からして何かを修理する場所とも思えないので、内部に設置された機器を調整するものかも知れない。
若しくは、他の壕から持ち込まれた物なのかも。

この壕もかなりの広さがある。

しかし、どういう訳か壕床が平らになっていない。

壁面にフックを発見。
何をかけていたのかな!?

非常にきれいに掘削された空間。

付近にはかまどが残されていた。
貝山地下壕第2工区にあるかまども素晴らしいが、こちらのかまども当時使用していたまま朽ち果てており、非常に貴重だと思う。

かまど上部には穴が開いていたが、ここに鍋を置くのか!?
それともここから煙突が!?
いまいち構造がわからん…。

この壕には多数の電気設備があったのか、配電盤らしき物を設置していた跡がある。
配線を這わせる溝も掘られてるし、ちゃんと設計して構築されたのかな。
ということで、少なくとも貝山には8個の大規模壕がある事が分かった。
しかし、これ以外にもアヤシイ箇所がまだまだあるので、今後とも調査を進めていこうと思う。
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