大崩海岸の洞門を後に、石部(せきべ)トンネルまでやってきた。
このトンネルは、昭和19年まで東海道本線のトンネルとして使われていたそうだ。

坑口の前に続くはずの路盤は荒波に掬われすっかり無くなっていた。

崩れ落ちた坑門が、ゴロゴロと転がっている。

先ほど海上橋方面から見たアングル。
アーチ形状を保ったまま落下している。

折り重なったレンガの内部を覗いてみると、蒸気機関車の煤煙が残されていた。

トンネルの中に進入する方法を探していると、別の探索者が残していったロープが垂れ下がっていた。

体重をかけてみると、どうやらこのロープを利用して上まで行けそうだ。

難なく坑口前まで登ることが出来た。
この日、初めて一緒に探索をした、空母欲奈氏も続いて登ってくる。

上から見下ろすと、崩れたレンガが大量に転がっている。
海岸線もすぐ側だ。
台風の時なんかは、この場所に立っていることすら難しいだろう。

それでは早速海側のトンネルへと入ってみよう。

なんだこりゃ。
噂には聞いていたが、ものすごいゴミの量だ。
いや、もしかしたら、誰かが生活雑貨を保管しているのかも知れないが、いずれにしてもかなりの年月でぼろぼろになっている。

奥へと進んで行くにつれ、ゴミの量は減っていった。
左右にいくつかの待避所も残されており、海側には、海に面した法面に向かって掘られている横穴も残されていた。

そのまま奥へと歩いて行くと、最後は埋め戻されて閉塞していた。

この先は、現在の東海道線のトンネルへと続いているらしく、時折列車の走行音と共に、風が吹き出してくる。

閉塞点まで行ったので、続いて山側のトンネルへと入っていく。

海側のトンネルほどはゴミは多くなかったが、やはりこちらもゴミだらけ。
そして最後は盛大に土が盛られて埋め戻されていた。
ま、そりゃそーか。

閉塞点先端。
この向こう側には窪みがあり、行くことは可能だが、その先はほんのわずかな隙間しか無かった。

坑口方面をふり返って撮影。

年期の入ったレンガがいい色してる。

明治22年(1889年)に出来たこのトンネルだが、坑口付近は荒れてたけど、内部は崩落も無く非常に良い状態だった。

と言うことで、相良牧之原インターの近くへ場所を移し、日没前の小探索。
なんでも、この付近に大井海軍の地下壕があるのだという。

茶畑の農道から、谷に向かって笹藪をガサゴソしていく。

そして、谷底に向かってどんどんと下って行く。
こりゃ、戻るの大変そうだ(*´д`*)

荒れた山林を苦労しながら進んで行く。
やがて、先発隊より、壕口発見の一報が。

倒木を乗り越えたりくぐったりしながら、なんとか壕口まで辿り着く。
yakumo氏は、既に装備を身につけ潜る体勢になっていた。

壕口までのアクセスは大変だが、壕口自体は埋没も少なめで入りやすかった。

奥へと進んでいく。
風が流れており、どこかに通じているのは確実のようだ。
壕床には足跡は全く無い。
ま、こんなところまで降りて来る物好きはそうそういないか(笑)

しばらく進むと、壕床に穴発見!!
どうやらこの壕の下層にも地下壕があるようだ。
穴からは風が吹き抜けてくる。

下を照らしてみると、下層の壕は水没しているようで、ものすごく澄んだ水がたまっていた。
しかし、ここから降りると、下層に壕口が無かった場合は上がれなくなる可能性がある。
そこで下層の壕の山側にも壕口があると推測し、yakumo氏が下層の壕口側から進入することに。

しばらく待っていると、ジャブジャブという音と共に、下層にyakumo氏がやってきた。
もう、壕口見つけて入ってきたのか!?
さすがだ(*´ω`*)
しかも、水没しているものの、かなりの広さがあるという。

日没まで時間が無いので、すぐに下層の壕口へと向かう。
あいかわらずものすごく荒れて歩くことすら困難(*´д`*)
汚れとか、わけ分からない木の実とか背中に入ってくるけど、もはや、そんなことどうでもいいレベル。

下層の壕口に到着。
壕口の目印に『立入禁止』と行政が呈示してくれているおかげで、すぐに発見出来た。
てか、こんなところにある壕口だけど、行政が把握していることにびっくり。
近くにバイパスが走っており、その橋脚建設の際に発見されたのだと推測する。
しかし、あたりはみるみる暗くなってくる。
ヤバい、そろそろ戻らなくちゃ。

この状態を目の前にして地下壕に入らずに帰ってくるのは非常にくやしい。
しかし、ここは横浜から2時間程度で来ることが出来るし、今日の所は一旦帰って出直すことに。

名残惜しそうに壕口付近に留まる空母欲奈氏。
ほらー、明日も仕事だし、辺りはもう真っ暗だよ-。

案の定、帰り道は真っ暗…。

ものすごい角度の急斜面を木につかまりながら登っていく。
木があるのでなんとかなるけど、ここはロープを垂らしておかないとキツすぎる。

やっと谷の終わりが見えてきた。
遭難せずに戻って来られた(*´ω`*)ノ
もう一息…。

と言うことで、大井海軍の地下壕内部の探索は次回への持ち越しとなりました。
この記事は、内部探索編 へと続きます!!
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