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デジタルから穴ログまで、日々の改造・探索を綴ります ((((っ´ω`)っ

大崩の東海道本線の水没横坑に潜って来た  2016-02-09

石部トンネルを後にして、今度は小浜集落にある横穴を見に行った。


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集落の奥へと進んでいく。




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おー、あったあった。
レンガ作りのなかなか趣のある坑口だ。
隙間も十分にある。




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と思ったものの、中を覗くとめちゃめちゃ水没している。




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大丈夫かな(^_^;
とりあえず入ってみることに・・・。




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足から体を滑り込ませる。
うん、思ったよりも狭いな・・・。




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坑内へと入り込むと、内部は立派なレンガが巻かれていてすごく良い雰囲気。
でも水没が激しくて、まるで水路のようだ。




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しばらく進んで行くと、レンガで巻かれた坑内は素掘りへと変わった。

水没は相変わらずだ。




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だんだんと狭くなってきたが、水はまったく引かない。
すこしずつ浅くなっているようだが、足下には泥土がからまり歩くのが大変だ。




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高さが 150cm程度しかないところが多く、ずっと腰をかがめたままなので、必要以上に体力を消耗する。
しかも瓦礫が水中に落ちていたりして、つまずきそうになる。




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岩盤はとても安定しているようで、大きな崩落は全く見られない。
水が引いてきたせいか、ちょっと歩きやすくなってきた。

もう 200m程度歩いてきているが、まだ奥があるようだ。




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といっても、それでも膝上程度の水没だ。
昨日までの雨が流れ込んでいるのかも知れない。




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湿度がどんどん上がってきた。
閉塞も近そうだ。




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水がだんだんと引いてくる中をどんどんと奥へと進んでいくと、突然レンガの巻き立てが現れた。
こんな穴の奥深くに、こんなレンガ巻きが眠っているとは驚きだ。




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なぜここだけレンガで巻かれているのだろう。



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最奥部は枕木のような物でしっかりと塞がれている。

あの向こう側は東海道本線の石部トンネルのはずだ。
しかし、今入ってきた坑口から東海道本線までは 350m程度あるため、まだこの奥に 100m程度の坑道が続いているのだと思う。

右手には、目的は分からないが石積みが残されている。




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一番奥まで行って、坑口方向にむかって撮影。
すっかり水も引いて、快適な空間だ。

石部トンネルを列車が通過するたびに、地鳴りのような音と共に塞がれた枕木の隙間から風が吹き出してくる。




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一通り、奥まで見て回ったので、そろそろ戻る事にする。
腰をかがめてまたあの距離をジャブジャブと歩いて行くのかと思うと、ちょっと憂鬱になる。




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水没がない区間はわりと快適だが・・・。




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だんだんと足下の水没が増してくる。




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延々と坑道を戻っていくと、やっと坑口が見えてきた。




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と、同時に、坑口付近の美しいレンガが姿を現した。




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坑口付近から奥を振り返ってみる。

ここまで水没が長い穴も珍しい。
途中、分岐も全く無く、それほどの面白みは無いが、それでもまた潜ってみたいと思わせる穴だった。




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ところで、大崩の海沿いの道路は現在崩落より通行止めとなっている。
路盤ごと失われてしまったようで、海沿いの道路を廃道化し、新たなトンネルを掘っているというので見に行ってみる事にした。




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崩落地点を見に行くために、国道 150号線の新日本坂トンネルを通る。
このトンネルの壁の向こう側に先ほどまで潜っていたと思うとちょっと不思議な感じがする。




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国道から逸れて、海沿いの道へと進んで行く。
もともと、この道が国道150号線だったのだが、現在は県道に格下げとなっている。




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トンネル工事現場をちょっと覗いてみると・・・!?




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なんと、まるでキリトリセンのように山肌に坑口の形がマーキングされていた。
トンネルは半分以上の掘削が終わっているという事だったが、片側からしか掘っていないのか!?
迎え堀りをしていないことにちょっと驚きながらも、崩落地点へと進んで行く。




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通り抜け出来ませんとか書いてある。




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新しいトンネルの開通後、廃トンネルになってしまうだろう、当目トンネルをくぐり抜ける。
隣接するホテルの駐車場が、新トンネルの工事現場となってしまったため、現在はホテルの従業員の仮の駐車場として利用されているようで、電気が灯っている。




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トンネルを抜け振り返る。
廃トンネルになってしまうのがもったいないくらい、立派な坑門だ。




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崩落地点に向かいどんどんと進んで行くと・・・。




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なにやら大変な光景が見えてきた。




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無くなった路盤のすぐ下は、法面ごと海へと崩落している。
海までは 30m程度あるだろう。
ここから落ちたらまず助かる事は無理そうだ。




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通り抜け出来ませんの看板に偽りはなかった。
ごく僅かに残された路盤も、いつ崩落してしまうか分からない状態だ。




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向こう側に見えている路盤も、ぼろぼろだ。




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無理すれば向こう側に行けるかなとも思ったが・・・。




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これは絶対にムリ。
こんな所で死にたくないので、これ以上はやめておいた。




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この道が廃道となって、道路維持作業がなくなってしまった後には、今立っているこの場所の路盤も崩落してしまうような気がする。
海沿いには建屋が残っているのだが・・・。




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こちらもかなり風化している。
建物ごと海に落下してしまうのも、時間の問題だろう。




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ということで、大崩周辺を一日回ってみたが、いろいろな遺構があってなかなか楽しめた一日だった。

トンネルが開通後に、またいつか、廃道化した海沿いの道や当目隧道を見に行ってみたいと思う。


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コメント

うーん、穴スキー的にはたまらない物件です。
しかしこんな手の込んだ物を何のために作ったのか…不思議ですねぇ。

  • 2016/02/09(火) 23:35:37 |
  • URL |
  • Kei #-
  • [ 編集 ]

>> Kei さん

おそらく東海道本線のトンネル工事の際の横穴だとは思いますが、ズリ出し用にしては狭いし距離も長すぎますよね。
内部のレンガ巻きといい、いろいろと謎が残ります。

  • 2016/02/09(火) 23:59:09 |
  • URL |
  • tonotama #GHYvW2h6
  • [ 編集 ]

県道の崩壊部分は自分も見に行きましたが崩壊した斜面の中に石垣の跡の様な部分が見えるのは気のせいでしょうかね(最後から4枚手前の写真の中やや左下辺)

  • 2016/02/10(水) 21:02:08 |
  • URL |
  • おろろn #-
  • [ 編集 ]

ほんとだ!!!
もしかして、車道になる以前の遺構!?
それがアスファルトの下から出てきたというのか!?
それとも、この場所って、もともと杭で路盤を浮かせていたとしたら、道路下の施工という事も考えられる!?
気になる~(*´д`*)

  • 2016/02/10(水) 22:29:52 |
  • URL |
  • tonotama #GHYvW2h6
  • [ 編集 ]

以前クイックさんが「穴と橋とあれやらこれやら」で記事にしてましたが大津の県道が大戸川の大出水(下流の淀川の天ケ瀬ダムが初めてクレスト放水を実施した)で削られたときに昔の石垣や石の桟橋跡が出てきてました。

  • 2016/02/11(木) 22:14:30 |
  • URL |
  • おろろn #-
  • [ 編集 ]

そう言う例もあるということは、過去の遺構という可能性も高いかも・・・(*´д`*)
でも、場所が場所だから、当時の人道としても危険すぎるかな。
なんか、もう一度ちゃんと見に行ってみたくなったぞ・・・。

  • 2016/02/12(金) 23:17:56 |
  • URL |
  • tonotama #GHYvW2h6
  • [ 編集 ]

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