
国道471号線を、飛騨市から松本に向かって走っていく。

新道である安房峠道路を通らずに、旧道の安房峠を超えて行こうと、国道158号線を進んでいくと、『法面崩壊』の文字が見えた。
どうやら、平湯温泉の神の湯が、対岸の法面崩壊によって閉鎖されているようだ。

付近に工事概要が立てられている。

どうやら、崩壊を食い止めるための工事をしているようだ。

入口はしっかりと閉鎖されていたが、地図を確認すると、現場までは歩いて行けそうな感じだった。

ちょっとだけ見に行ってみよう。
てくてくと急坂を上っていく。
真横には急峻な安房峠をトンネルによってあっという間に超えてしまう、安房峠道路のトンネル坑口が見えていた。

写真でみるとそれほどの傾斜は感じられないが、がなりの急坂だ。

息を切らして急坂を上がっていくと、なんと奥に人影が!!
あれ?
日曜日なのに作業をしているのか!?
工事関係者の車両が何台も停まっているのも見える。
崩壊の現場を見たかったが、これは仕方がない。
残念だが戻ることにした。

真新しいキャタピラ跡が道路に刻み込まれている。
名湯平湯温泉の神の湯を、いつまでも閉館させておくわけにもいかないのだろう。
休日返上で作業をしているのだろうか。

車に戻ってきた。

安房峠に向かい車を走らせていく。
安房峠のこの道路を走るのは、20年ぶりだ。
記憶だと、かなり険しい道路が続くはずだが・・・。

初夏の日差しが照りつけているが、標高が高いおかげで気温はちょっと肌寒いくらいだ。
新緑に囲まれた国道は、とても快適に見える。

標高を増すごとにカーブが多くなってくる。
しかも、ガードレールも無いので、ハンドル操作を誤ると、谷底へまっさかさまだ。

狭いながらもそれほど路面は荒れておらず走りやすい。
突然空が開け、道幅も広くなった。
峠についたようだ。

峠にあった駐車スペースに車を停める。
奥は、かなりの落差がある谷になっていたが、車止めの類は全くない。
吹き抜ける風が心地良すぎる!
あまりにも快適なので、コーヒーを飲みながら、のんびりと休憩してしまった。
彼方に北アルプスの残雪が見えている。

しばらく休憩し、峠道を下り始める。
安房峠道路が開通する前は、松本から高山市方面に向かうすべての車がこの道を通っていた。
路線バスやトラックも例外ではない。

当時は安房峠を超えるのは大変だったのだろう。

ほとんどのガードレールの形が変形していたが、落石によるものだろうか。
それとも、冬季の積雪によるものだろうか。

つづら折りの区間が近づいてきた。
ここを通りたくて安房峠へと来たと言ってもいいくらい、走りがいのある急カーブの連続区間だ。
200m以上の高低差を一気に下っていく。

このカーブの連続区間での大型車同士の離合を想像すると、ぞくぞくしてしまう。。。←変態

いくつものカーブを抜けて下っていくと・・・。

やがて、有料道路である、安房峠道路との接続部へとたどり着いた。
左手に進むと上高地へ続く釜トンネルがある交差点だ。

今回はこのまま松本から高速道路に乗り一気に横浜まで帰る予定だ。
きれいに整備された国道を気持ちよく走っていると・・・。

なんと視界の先に崩落した斜面が見えてきた。
崩落の目の前には真新しい橋が架かっている。
これは間違いなく道路付け替えの橋だな。

急いで車を停め、辺りを見回すと、現道から旧道が分岐している場所を発見。
早速見に行ってみる。

路面には崩落した斜面から徐々に離れるような白線がひかれている。

しかしその先は、川に向かってすっぱりとなくなっていた。
恐らく現在の橋の建設中に、崩落現場を迂回するための仮設橋をかけていた跡だろう。

遠目には崩落現場を超えられそうにも見えたのだが、足を踏み外すと梓川の川面まで滑り落ちてしまいそうだったので、橋を渡って反対側へと行ってみることに。

旧道への分岐から崩落現場へ向かい道を進んでいく。

ロックシェッドの中は、除雪車の駐車場所として利用されているようだ。

崩落現場が見えてきた。

見上げると、吹き付けられたコンクリートは現在進行形で崩落を続けている。

崩れた斜面を超えて戻ろうかとも思ったのだが、思ったよりも角度があり、かなり危険な感じ。
素直に、今来た道を戻ることにした。

ふと見ると、落石の上にいくつかの石が乗せてあるのを発見。←写真じゃ見えないかな
偶然なのか誰かが載せたのかはわからないが、真似してみた。

崩落現場で淡々と石を積み重ねる姿を人に見られたら、さぞかし恐ろしく見えるだろう(^^;

ちなみに崩落現場の真横にかかっている橋だが、『うすゆきはし』と言うようだ。

架橋からそろそろ50年が経過するが、それほど古い感じはしなかった。

見た目はごく普通の橋だが、下を覗き込むと、結構な高さに架けられているようだ。

さきほど通り抜けてきた洞門の名前も『うすゆき洞門』だ。

除雪車は短い夏の間、この洞門内で雪が降るのをじっと待っているのだろう。

新しく架けられた橋を渡り、クルマへと戻っていく。
橋上からは崩落現場の全景を眺めることが出来た。

時刻は午後1時半。
今から高速で帰って、オイル交換でもしようかな。

順調に高速道路を走っていたのだが、電光掲示板に渋滞情報が・・・。
大月まで 35分なのに、八王子まで 2時間以上という事は、相当な渋滞のようだ。
渋滞に巻かれているくらいなら、遠回りでも走っていたいので、甲府から奥多摩方面へと峠道を抜けて帰ることにした。

国道411号線を奥多摩方面に向けて進んでいく。

柳沢峠に向かい、快調にアクセルを踏んでいく。
険しく見えるこの道も、以前の柳沢峠を知っている人には、考えられないほどに快適な道路へと変貌しているのだ。

以前はタイトコーナーの連続で、しかも超急坂。
30Km/h 出すことすら難しい道だった。

それが現在では、線形も全く変わり、多くのトンネルによってこんなに快適な道路になってしまった。

以前、 おいらん淵の旧道を探索した時 には工事も始まっていなかった場所にも、新たなトンネルを掘っているようだ。

このまま青梅から都内へ抜けてしまうのもつまらないので、奥多摩湖から国道139号へと入ることにした。
松姫峠 が今どうなっているのか気になったからだ。

松姫峠へ向かう旧道と、トンネル方向である新道の分岐点までやってきた。

通り抜けは出来ないとの看板が立っている。
もう少し時間があれば、頂上まで見に行ってみたかったのだが、既に午後 8時を回っていたため、今回は反対側を見に行くだけにした。

松姫トンネルを通り抜け、旧道の通行止め部分まで行ってみた。
以前と変わらず、ゲートで通行止めとなっている。

旧道のトンネル入口までやってきた。
以前には無かったゲートが両端に置かれている。
この先、開通させるつもりはもう、無いのだろうか。

右手には新たに掘られた松姫トンネルの光が煌々と灯っていた。
ここ松姫峠は、今後も状況を確認していきたいと思っている。

松姫トンネルを後にし、帰りは相模湖を抜けて厚木まで峠道をひた走り、横浜まで帰宅した。
今回の走行距離は 土日で 1021Km。
内、高速道路 66Km でした。
おしまい。
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