そこで今回、あの先がどうなっているのか見に行ってきた。

金曜日の仕事が終わった後、下道で群馬県を目指す。
保土ヶ谷バイパスに新しく出来た 246号線を越えるオーバーパス。
新しい道は、ホント気持ちいい!!

群馬県内にて車中泊し、翌日は早速毛無峠を目指す。
長野県高山村へと入った。
目的地はもうすぐだ。

毛無峠に向かう道も、先月あった雪はすっかり溶けていた。
今回は峠まで車で行けちゃいそうだ。

峠にある駐車場に車を駐め、水分を持ち早速準備をする。
ここから先は関係者以外立ち入り禁止なので、良識ある大人はホントは入ってはいけないのだ。

ものすごいつづら折りの道を下るみたいだけど、往復 10Km程度だし、楽勝かな(`・ω・´)

ガタガタの砂利道を、なんとか自転車にまたがりながら下っていく。

彼方には、目的地である小串鉱山跡が白く広がっていた。
ずっと下りだと思っていたのだが、なんだかアップダウンがある・・・。
しかも、砂利で押すのも大変だ。
帰り、大丈夫かな(^_^;

鉱山跡のエリアに辿り着くと、地蔵堂への案内看板が。
案内看板?
この場所って既に立ち入り禁止なんじゃ・・・!?
ま、いいか、早速行ってみる。
説明を読むと、地滑りによりこの場所で 245名の鉱山関係者や家族の方が亡くなっているという。

見学自由と書かれていたので、お参りをし、お堂の中を見てみる事に。

それではお邪魔しまーす。

ん?

お堂の中はとても綺麗に手入れされていた。

お堂の中にあった説明書きによると、以前はこんなに荒れ果てていたものを建て直したようだ。

お堂の中には落書き帳がぶら下がっていた。

そこにはたくさんのメッセージが書き込まれていた。

上から見下ろす鉱山跡は、荒涼とした不毛な土地だと思い込んでいたが、この場所は緑に囲まれてとてもきれいだった。

慰霊碑の近くで、当時の地図をゲット。
これを参考に先に進んで行こう。

地滑りの現場にお祈りの鐘があるというので行ってみる事に。

崩れ落ちた土砂の上には草が生い茂っている。
山肌に初夏の風が吹き抜ける。
ここにはとてもゆっくりした時間が流れていた。

しかし、昭和12年の暮れ、確かにここで 245名の命を飲み込んだ、大規模な災害が起きたのだ。

GoogleMapの航空写真で見ると、かなりの規模の山体崩壊が見て取れる。
必死の捜索にもかかわらず、最後まで見つけられなかった行方不明者は今でもこの土砂の下に眠っている。
ちなみに、矢印の場所が現在地。

崩落現場を後にして進んで行くと、大きな廃墟が森の中に見えてきた。

先ほどゲットした地図によると、どうやら変電所の廃墟のようだ。
屋根は腐り落ち、壁には大きな穴が開いているが、なんとか原型を保っている。

なんと、奥の部屋には当時の変電設備がそのまま残されていた。

このアナログの積算計とか、もう最高。

標高2000m近いこの鉱山一帯の電力をここでまかなっていたのだろう。

見上げると、危ういバランスで壁がそそり立っている。
いつまでこの状態を保てるのか・・・。

なかなかいい雰囲気だ。
写真の上手い人が撮ったら、凄い写真が撮れそうだな。

でも、床はガレてるし、頭上も危険がいっぱいなので、早々に退散。

荒れた平場を進んで行く。

当時の写真を見ると、この辺りには精錬所や関連施設が建ち並んでいたようだ。
ちなみにここ、小串鉱山では、硫黄の採掘を行っており、当時は国内最大の硫黄鉱山だったという。

山肌を見上げると、なんと斜面のど真ん中に坑口がぽっかりと!!!
これは潜りに行っちゃうでしょ!!!!

いやいやいやいや、これは無理。
ガレた斜面はパラパラと崩れ落ち、とても安全に行ける気がしなかった。
さすがに今回は単独での探索だし、パスパス(^_^;
写真で見ると行けそうにも見えるけど、実際はものすごいスケール感。
あの坑口もトンネルみたいに馬鹿でかいんだよ。

当時の写真の中央部分に煙道みたいのが写ってるけど、これと繋がってたのかな!?

小高い丘のドン突きまで行ってみる。

眼下にはなにやら遺構が見えている。

坑道なんかも見えちゃったりしてる。
うーん、あの場所に行ってみたい。

斜面はかなり崩れやすく、しかも急だったので、しばらくどうしようか悩む。
そもそもこの場所から降りちゃっていいものなのか・・・。
まあ、なんとかなるかな。
さすがにチャリはここに置いていこう。

ずるずると滑りながら下まで降りてきた。
てか、これ、ここから登るの無理っぽい(*´д`*)

帰り道の事は帰りに考える事にして、とりあえず遺構に向かって薮に突入!!

鉱山の探索は初めてだし、施設についても全く詳しくないのだが、これがシックナーと言う奴か!?

作られてからかなりの年月が過ぎている割りには、しっかりとしているな。

そんなことよりさっきの坑口が気になって仕方がない。

薮を抜け、坑口へと向かう。
やっぱり自分は地下の探索が一番好きなのだ。

坑口の前までやってきた。

うーん、奥があるような、無いような。
閉塞した地下壕の壕口特有の澱んだ感じは全くしない。
どこかに抜けているのだろうか・・・。
中腰で奥へと進んで行ってみる。

しかし、先は崩落により塞がれていた。
これは人為的に塞いだものと言うより、場所的にも、自然崩落のような感じだった。

坑口より這い出て、坑口上のコンクリートによじ登る。
おそらくこの奥の下辺りが崩落場所のようだ。

そのまま上へ上へと登っていく。
大量のコンクリートで作られた遺構が残っている。

選鉱所だろうか。
崩れていて良く分からないが、かなり大規模な施設のようだ。

足下には人の頭ほどの石がゴロゴロしている。

このコンクリートも絶妙なバランスで倒れずにいる。
こういうのなんか好きだな。
しばらく周辺をうろうろし、そろそろ戻り始める事にする。

丘の上からこの黄色いラインで降りてきたのだが、降りてきた砂利の斜面を登るのは厳しそうなので、丘の向こう側に回り込んで行く事にした。
後半へと続きます
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