
再び、海沿いより藪に突入する。
この上には、巨大な何かが構築されているのだ。

その 『何か』 というのが、この航空写真に写っている巨大な穴のようなものである。
この写真の場所に、行ってみたい!!!

かなりの急斜面を抜けられそうなところを辿りながら登っていく。
行く手を遮る木々を、知恵の輪のように体をひねりながら、すり抜けていく。

心が折れそうになるが、何としても、あの穴を確認したい!!
やっとの思いで頂上付近までたどり着くと・・・。

頂上付近は平場になっており、なにやら巨大なコンクリートの遺構が現れた。
これは探照灯の設備跡かな。

頂上の平場には同様の物が2つ並んで作られており、中央部には四角い堅穴がある。
この穴から照明設備がせり上がって来ていたのだろう。
航空写真で見たのと若干印象が違う気もするが、これが写真の場所で間違いないだろう。

穴の中を覗き込むと、下部に出入り口が見えた。

側壁を下り、先ほどの出入り口より内部へ進入し、見上げてみる。
なかなかいい感じの作りである。

付近には、関連施設だろうか、旧い建屋が残されている。
先ほどの航空写真で、穴の左側に写っている建物だ。
2階部分は、昭和に入って改築されているようだが、外観から判断すると、明治~大正時代のものだろうか。

一通り辺りを回ったので、そろそろ戻ることに。
この場所は防衛大学の走水海上訓練所の裏手に当たるので、また、藪を抜けて降りるしかない・・・。

走水地区から南下し、今度は浦賀地区へと移動した。
千代が崎の裏手にあるトンネル脇の斜面に、謎の穴が開いているので見に行ったのだ。

斜面を木に掴まりながら水平移動していく。

すると、足元に、直径 1mはある大穴が現れた。
暗闇だったら足元に注意していないと落ちてしまう危険な穴だが、そもそも山の斜面にあるため、ここに来る人はまずいないだろう。

スーパーマリオのように、穴の中に飛び込んで、上を見上げてみる。
と言うのは、もちろん冗談で、、他の入れそうな穴を探して山の内部へと進入したのだ。

山の内部は、結構な広さでくりぬかれていたが、地盤がかなり悪いらしく、足元は瓦礫の山だった。
奥へどんどん進んでいくと・・・。

なんと、地下空間に巨大な電信柱のようなものが立っている。

近づいて上を見上げてみると、どうやら地下上部に開いた穴に設置してあったものが落ちてきたものらしい。
先ほどの穴も、これと同様の物だと思う。

内部にはこのほかにもいくつかの上部通気口が見られた。
千代が崎砲台の裏手に当たるので、何らかの関連施設跡だとは思うのだが、ここで一体何をしていたのかは不明である。

とりあえず、入ってきた穴から這い出て、次の場所へ向かった。

再び場所は走水。
以前、 この内部を調べようと突入したのだが、藪が激しすぎてどうにもならなかった、走水低砲台 へのリベンジだ。
聞くところによると、藪が伐採されているらしい。
海沿いから、ロープに助けられながら、頂上付近まで登っていく。

頂上にたどり着いて、びっくり!!
なんと、ここは公園化に向けて整備をしているのだろう。
藪がすっかり伐採され、階段まで備え付けられている。

以前の探索では、全容を把握する事すら困難だった観測所も、すっかり姿を現している。

砲台の中心部へと進んでいく。

砲台跡には、砲台を固定していた当時のボルトがきれいに掘り出されて並んでいた。

以前はコンクリートブロックにより塞がれていた掩蔽部は、金網が設置されている。
見学者が内部を見られるようにとの配慮なのだろう。

まあ、塞がれていたと言っても、一部が破損し、出入りは自由だったのだが、今回の施工で、ここへ立ち入ることは困難となった。

この場所の以前の姿を知る者は、あまりの変貌に驚くに違いない。

ちなみに、砲台裏手の海沿いには、機銃座が残されていた。
こんなものまであったとは、驚きである。

最後に浦賀のかもめ団地を見に行った。
ここも 以前記事にしたことがある 場所なのだが、当時生活感にあふれていた団地は、老朽化の為に無人となっていた。

廃墟となった団地の奥へと進んでいくと、以前と変わらぬ姿の巨大な穴が口を開けていた。

人物が映っていないのでスケール感がつかみにくいかと思うが、ステージが作れそうなくらいの大穴である。
当時はこの大穴に向かって着弾の試験をしていたのだ。

脇によじ登ってみると、コンクリートの外観が確認できた。
超広角レンズでの撮影のため上部がかなり湾曲しているが、実際はここまで激しくゆがんではいない。
後ろ側に石垣が築かれているが、当時、この上部にも秘匿の為の土かぶりがあったのではないか。

大穴の周囲のコンクリートは、着弾によって欠けているようにも見えるが、どうなんだろ。
と言うわけで、かなり詰めたスケジュールだったが、一日で観音崎周辺を回ってみた。
この他にもこの周辺には、ネット上には出ていない(出せない)、驚きの遺構が数多く存在しているので、それらの遺構も時期を見て公開していこうかと思う。
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