聞くところによると、日本屈指の超パワースポットだという。
しかし、辿り着くのがとても難しいと言う。
どういう事なんだろう・・・。
ということで、早速見に行ってきた。

横浜を出て、国道17号線を北上する。
魚沼市内から国道252号線へと入り、国道290号線へ。
カーナビを頼りに山道を進んで行く。
しかし、ナビに頼れるのはここまでだ。

なぜなら、この先は林道となっているようで、カーナビからは道が消えているのだ。

スマホのGoogleマップでナビゲーションしながら、世界一神社を目指す。
え?
ホントにここに入っていくのか!?

ハイエースで入っていくのには無理があるような道を進んでいく。

対向車が来たら、どちらかが数百メートルはバックしなければならない山道をどんどんと進む。
てか、対向にバイクが来てもすれ違い無理でしょこれ。
しかも、クルマの両側に、草がバチバチと当たってる(*´д`*)

あれ?
Gppgleナビの案内だと、ここら辺を左折するはず。
でも、道が見あたらないぞ。
車を止めて徒歩で良く見てみたいのだが、車を止められるスペースが全く無い。
対向車が来ちゃったら、ものすごく大変なバックを強いられるので、離合可能なスペース以外は、少しでも早く通り過ぎたい。
仕方ないので、そのまましばらく進んで行く。

数百メートル毎に、すれ違いのために少し広くなっている箇所があったりするのだが、さすがにそこに止めるわけには行かない。
なんだかんだでかなりの距離を進んでしまった。
ようやく車数台分のスペースを見つけたので、車を停め、早速徒歩にてさっきの場所まで戻る事に。

今車で下ってきた道を、今度は歩いて戻っていく。
歩きでも狭い道だわこれ。
自転車どころか、徒歩とクルマでもすれ違い厳しいな。
こんな道なのに舗装してあることが、奇跡的だ。

しばらく道を戻っていくと、神社へ続いているらしき分岐点を発見。
荒れ果てた道の入口には神社の看板が残されていた。
法正院って書いてあるけど、これが世界一神社のことか!?

看板には、 『注意・一般車両の進入は無理です』 って書いてある!

え?
一般車両どころか、徒歩でもちょっと無理そうなんですけど・・・。

ちょっとだけ見に行ってみるかな。
ガサゴソガサゴソ・・・。

蜘蛛の巣が酷い。
しかも、路盤を見失いそう。
この林道自体、整備もされず完全に廃道と化しているようだ。

ここからの進入はあきらめて、もう一本北側にある道から入っていく事にする。

しかし、こちらの道も、完全に草で埋もれていて、入って行ける状態じゃない。
一体、どうやって神社まで行けと言うのだ。
どちらの道も普通に進めそうも無いので、一旦車に戻る事にした。

車に戻り、一人、作戦を練る。
携帯の電波は入ったり入らなかったりだ。
PCにインストールされている地図ソフトや、紙の地図を広げて行けそうな道を探る。
ここから入って行けなければもう行く方法は無いのか。
だってこの奥は沢に当たって行き止まり・・・。
行き止まり・・・!?

え?
え?
行き止まりではないじゃないか!
行き止まりを拡大して見ると、なんと、トンネルマークがある!!
トンネル自体の記載はこの地図には無いが、明らかに坑口があるようだ。

トンネルがあると思われる山の向こう側へと車を走らせる。
対向車、来ませんように~(*´д`*)

山を下り、三条市内へ。
やっと、安心できる道に出た(*´w`*)

そして、トンネルがあると思われる集落へ。
どこか車を停める場所は無いかと集落内を回る。

まるで不審者のように集落をグルグル回ったが、とにかく道が狭く、車を停車させる場所も無い。
Uターンするだけで、道の脇に流れている用水路に落っこちそうだ。
離合できる場所なんて全くない。
これでは埒が開かない。
集落の公民館に人がいたのでトンネルについて聞いてみた。

すると、やはり集落の奥にトンネルがあるという。
その車じゃ絶対に無理と言われたので、ハイエースは公民館に止めさせてもらって歩いて行く事にした。

靴を履きかえ、懐中電灯や水分などの装備を身に着け、教えてもらったとおりに山道を登っていく。

装備として持ち出したガーミンのGPSマップには、なんとトンネルも書いてある!
なんだ、初めからこっち側に来れば良かったのか。
ちゃんと下調べをしてから来ればよかった。
でも、こうやって場当たり的に訪れた方が、思いがけないイベントが起きて楽しめる。
先が分かっちゃったら、楽しみも半減だもんね。

山をどんどん登っていく。
この先にも現役の電線が伸びている。
神社も現役なのだろうか。
まさか、人が住んでいるのか!?

9月も終わりに近づいているが今日は30度近い気温だ。
一気に汗が噴き出してくる。

やがてトンネルが見えてきた。
廃トンネルみたいのを想像してたんだけど、案外ちゃんとしてるな。
神社にたどり着くのは大変という事だったが、トンネル抜けたら神社じゃないのか!?

入り口には、関係者以外立入禁止の看板があったけど、柵は道の脇にどかされている。
入っても問題なさそうだ。

トンネル上部には扁額のへこみがあるが、朽ち果ていて文字は良く分からなかった。
坑口の大きさは、軽自動車なら入れそうだ。
ま、とりあえず入ってみましょ。

内部はひんやりとしてとても涼しい。
坑口からすぐ、右に少しカーブしている。
コンクリートで固めてあるけど、なかなか良い雰囲気だ。
コンパネの模様がいい味出してる。

坑口を振り返る。
うん、絵になるね~。
素敵すぎるな。

懐中電灯片手にどんどんと進んで行く。
照明の類は全く無く、内部は完全に真っ暗だ。
地形図によると、1キロ近い長さがありそうだ。

進んでいくと、コンクリートの巻き立てが無くなり、内部は吹き付けのみの状態へ。
何やら、怪しい突起物が大量に取り付けられていて不気味だ。

そのままどんどんと進んでいく。
突起物は無くなったが、足元がぐちゃぐちゃしてきた。

また、突起物が出てきた。
歪みか何かの計測をしているのかもしれない。
( 追記 : どうやら、コンクリート吹き付けの際の補強用のボルトカバーらしいです ← コメント欄参照 )

足元は完全に水没してしまった。
深さはそれほどではないため、靴下を濡らすことはなかったが、時期によってはもっと水が溜まっていそうな感じだった。
帰宅してから分かったことなのだが、この隧道自体、水路隧道として掘削されたという事だ。
なるほど・・・。

やがて、洞内は素掘りの状態へとなった。
両手を広げると、両側の壁に手が届く。
この狭さは尋常ではない。
路盤には軽自動車の轍が残されていたが、軽自動車でもミラーを畳まないと抜けられなそうだ。

素掘りの狭隘区間を過ぎると、またもや大量の突起物が。
彼方には反対側の坑口が見えてきた。

このあたりは地盤が悪いのか、かなりの厚さの巻き立てが。
このトンネルを抜ける車が散漫運転をしていることは考えられないが、ぼーっとしていると側面にぶつかりそうだ。

延長は 1キロ弱くらいかな。
神社にたどり着くのは難しいと聞いていたのだが、このトンネルが難関という事か。
完全に真っ暗なんで、懐中電灯が無いと抜けるのは難しいが、暗いのさえ大丈夫なら、徒歩なら特に問題はなく抜けられるだろう。

反対側 (神社側) の坑口。
轍が道幅いっぱいだ。
神社の関係者の方が、軽自動車で通り抜けているのだろうか。

坑口を外から見てみる。
こちら側には扁額は無いようだ。
坑口は巻きたてられており、狭いながらもごく普通のトンネルの雰囲気だ。

路面には真新しい轍が残されている。
あのトンネルを車で抜けているところを見てみたいな。
トンネルの途中で車が故障して動けなくなったら、携帯は通じないし、狭すぎてドアは開けられないし、大変なことになりそうだ。
窓を割って、トンネルの側壁と車の隙間から天井に這い上がるしかないのか・・・。
そもそも、窓が開いたとして、そこから這い出る隙間があるのかも怪しいが。

あとは神社まで山道を 20分ほど登るだけだ。
トンネルを抜けただけで十分満足してしまったが、ここまで来たのでパワースポットだという神社も見ておこう。

携帯の電波は全く通じていないが、GoogleMap のキャッシュで地図は表示されている。
山道は急坂で、路面も良く滑る。
軽自動車でも、四輪駆動じゃないと無理なんじゃないか!?
目的地はすぐ先だ。

神社の入口付近にたどり着いた。
なんか、廃っぽいけど大丈夫かな。

構わず進んでいくと、手水場があった。
このあたりはきれいに掃除されていた。
周りには鳥よけの網が巻かれている。

そして手水場のすぐ脇には、『世界一神社』の鳥居が。

さすがに世界一だけあって、ここに立っているだけでパワーをビンビンに感じる!!
でも、携帯は圏外のままだ ←

手水場で腕ごと清める。
汗ばんだ体に冷たい水がとても気持ち良い。

参道を登っていくと、神社の本堂が見えてきた。
苔生した階段が良い味を出している。

せっかくなんで、ちょっとお参りもしてみたり。

とりあえず、目的も達成したのでそろそろ戻ることに。
帰り道はワクワク感も少なく、道のりが遠い・・・。

途中、森林の中に立っていた看板。
昭和37年とは・・・。
なにげにかなり古い看板だ。

トンネルの所まで戻ってきた。
一度抜けているせいか、もう、それほどの興奮もない。

帰宅後に調べてみたところ、このトンネルは旭隧道、またの名を吉野屋隧道と言うようだ。
なんでも、現役の素掘り隧道としては、およそ 760メートルと、日本一の長さがあるという。
開通は 1954年と言うから、それほど古いものでも無い。

のんびりと歩きながら、再び隧道内へと入っていく。

復路ということで、探索にも余裕が出ている。
隧道の側面には、整備のマーキングが多数記入されている。
何気に維持管理の為の整備はしているようだ。

なんと、隧道側面に配電盤の文字が!
この隧道に電気が灯る日も近そうだ!

しかしこの隧道、出水個所がとにかく多い。
このように壁面からホースで排水している箇所が多数見られた。

しかし、たとえ照明が灯ったとしても、この付近の狭さは尋常じゃない。
拡幅無しで照明だけ取り付けると、さらに狭くなってしまい、車両の通行がさらに困難になりそうだ。

一人で潜っているので人との対比写真が撮れないが、この部分なんか、幅が 1600mm程度じゃないかな。

狭隘区間手前の巻き立て側面に書かれた古い文字。
災害復旧とか書いてある。
おそらく落盤によって埋まった隧道内を修復した際に、この巻き立てが出来たのだろう。

水没区間を抜け・・・

やがて彼方に坑口の灯りがかすかに見えてきた。
集落側の坑口はちょっと曲がっているのだが、陽がふんだんに差し込むようでこの距離でも光が確認できた。

コンクリートのコンパネ跡が残る区間を抜けると・・・。

集落側の坑口だ。
お疲れ様でした!!

肌寒いほどの隧道内とは裏腹に、外気温は 30度近い。
うーん、暑すぎる。

集落を抜け車に戻りしばし休憩。
今日は一日中、随分と歩いたような気もしていたのだが、ログを見ると 10キロ程度しか歩いてなかった・・・(^^;

ということで、帰りは国道 17号線から三国峠を抜けて帰宅した。
新三国トンネルに関する工事の調査も進んでいるようで、現三国トンネル前の現場には重機がいくつも置かれていた。
新トンネル開通の暁には、これらの記録写真とともに、また、記事にしたいと思う。
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