名越切通しを満喫し、小坪の住宅街を抜け海沿いの道へと出た。

この近くにあるはずの住吉隧道を探しながら海沿いの道を走っていると、『この先行き止まり』の看板を発見。
まあ、海沿いの道だし海に当たって行き止まりになろう事は想像できたが、行き止まりとかかれているからにはこの先がどうなっているか確認せねば!
自転車を立ち漕ぎし、先へと急ぐ。

案の定、道は海に当たってなくなっていた。
すぐ後ろには小坪マリーナの立派な建物がそびえ立っている。
ふと岩肌へ目をやると
!!!

あ・な・だ!
なんと、また穴を発見しちゃったよ。
しかも今度は3つも。
見つけたからには見てこなければ!!

まず1つ目の穴。
入ってすぐに右に折れているようだ。

で、2つ目の穴。
おおっ、なんか奥が部屋みたいになってるぞ!

この坑口が一番入りやすかったので、まずはここから進入。
5m程進むと、外から見たとおりすぐに小部屋となっていた。
部屋の中には打ち寄せられたのか廃棄されたのか、サーフボードが何枚かあった。
また、この部屋から先ほどの3つの坑口全てがつながっていた。
奥に続く長大な坑道を期待したが、残念ながら奥へ続く穴は無かった。

閉塞を確認した穴にはもう用は無いのでさっさと洞窟から出て住吉隧道を探しに行く。
住吉隧道は住吉城址のすぐ下に位置するという。
地図で確認するとこの先のはずなのだが、またまた行き止まりの看板が。
おかしいなあ、この先トンネルのはずなのに。

ちょっと冗談でしょというくらいの急坂を自転車を押し登っていくと、見えた!きっとあれが住吉隧道に違いない。

しかし、階段でもおかしくないほどの急坂。
トンネル左側に枕木が積んであるが、その部分の道との角度を見てみると、この上り坂は20%以上の斜度がありそうだ。

トンネルの前まできた。
素堀のトンネルであるが、スチールの波板で巻き立てられており、小さい照明まで付いていた。
トンネル内部は階段状の上り坂となっている。
このトンネルを抜けると姥子地区に抜けるようだが、こんな急坂の頂上付近にトンネルを掘る意味が分からん。
はたしてどれほどの利用者がいるのだろうか。

これだけ登ってきたのだから下りは楽々だぜっ!
と思っていたのだが、甘かった。
あまりに坂が急すぎて、自転車にまたがると前に転がり落ちそうだ。
身の危険を感じたため、下り坂を自転車を押しながら下って行く。
というより、ブレーキかけてもタイヤがずるずる滑るんですけど。
下って行く途中を左に曲がり民家の裏を通り、今度は小坪のゲジ穴を探す。
位置的には住吉隧道の南に位置しているはずなのでこの辺にあるはずだ。
祠(ほこら)さえ見つければ、その横に坑口があるはず。

山中にある墓場を抜けると、上の方に祠を発見した。
雰囲気的にも場所的にもあの祠で間違いないはずだ。

階段を上りきるとやっぱりあった。
ちなみにゲジ穴という名称は『山さいがねか』という探索系大手サイトの管理人さんが名付けたもので、正式名称は分からない。
とにかくゲジゲジがたくさんいたという事で名付けられた。

ゲジ穴は完全な素堀りであり照明設備は一切無い。
以前は住民が山の向こう側に抜けるために利用していたらしいが、現在は向こう側の坑口はバリケードで塞がれているはずだ。

早速進入しフラッシュを焚いてみる。
長さはそれほど無いはずなのだが全く先が見えない。
とりあえず光の届く範囲にゲジゲジは1匹もいない。
どうやら皆、外出中のようだ。

懐中電灯で照らしながら奥へと進んでいくと、坑道は大きく左へと曲がっている。
そしてまたすぐに右へと曲がっている。
まるでトンネル内部に結び目があるようだ。

話によると、このトンネルは地元住民が山の両側から掘り進んだのだが、測量ミスで貫通点がずれてしまい、坑道を強引につなげたためにこのような形になったのだという。
なるほどそれなら合点がいく。

50mも進まないうちに、閉塞点にたどり着いた。
こちら側の坑口は木製のバリケードにより塞がれており、『この先私有地に付き立ち入り禁止』の看板が設置してあった。

バリケードの隙間からカメラを突きだして向こう側を撮影してみたところ、掘り割りの道が続いているように見えた。
このまま掘り割りの向こう側をみてみたかったのだが、バリケードを破壊するわけにもいかないのであきらめた。
それに自転車を祠の下に置きっぱなしだし。
大長寺洞窟から名越切通しを通り小坪付近を探索するという、距離にするとここまで20Kmもない道のりであったが、たっぷりと楽しめた一日だった。
しかし自転車で来たのに押していた時間がとても長かった気がする。
帰り道は自宅まで10Km程の道のりだったが、渋滞に巻かれることもないためクルマの半分の時間で帰宅できた。
次回は朝比奈切通しを自転車で通り抜けてきます!
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