
東名高速道路の相良牧之原インターのすぐ近くにあるこの谷。
第二次世界大戦時に大井海軍航空隊がこの地にたくさんの地下壕を掘ったというので、探しに来た。

島田市在住の空母氏が、あらかじめ目星を付けておいてくれたので、案内に従って進んで行くと、大きな壕口を発見。

早速中に潜り込むと、内部はなかなかの広さだ。

開口部が他にもあるようで、若干の空気の流れを感じる。
とりあえず奥へと進んでいくと・・・。

あ、なんかかまどのような物が!!

煉瓦で組まれたそれは、かまどのような形ではあったが、どうやらかまどでは無さそうだ。
そもそも、こんな奥まった所で火を焚いても排煙が大変だろう。

坑道を進んで行く。
若干の水没もあるようだ。

と思ったら、盛大に水没して坑道が池となっている。

水没を迂回しながらどんどんと奥へ進んでいくと・・・。

今度は壕の天井部分に巨大な穴が!!
どうやら上部にも階層があるようだが、はしごが無く上に行くことは出来なかった。
この奥には、いずれ入ってみたい。

碍子や当時の瓶が残されていた以外には遺構は残っていないようだったが、とりあえず全ての坑道を回って行く。

場所によっては、かなり広く掘られている箇所もある。
中央に写っている人物と比べると、この坑道は高いところでは 5m程の高さがありそうだ。

1時間程度かけて、全ての坑道をくまなく回った。
と言うのも今回の探索には、地下壕内部の構造を歩測を元に図面に起こすスペシャリストである、祐実総軍三等兵さんが参加しているのだ。

実際に地下壕に潜ったことがある人は分かるだろうが、真っ暗な壕内の中、懐中電灯の灯りを頼りに構造を図面にするのは、想像している以上に、非常に難しい作業だ。
単純な構造の地下壕でも、自分の向いている方角を常に意識していないと、似た景色の中で迷ってしまいそうになる。
この日に潜った地下壕の構造図は、氏によって早速 データ化 されている。

と言うことで、そろそろ次の壕を探しに行くことに。

体中に植物の種をくっつけながら、激薮の中をガサゴソと進んで行くと・・・。

あった、壕口。
内部からは風が吹き出している。

しかし、壕口を入って20m程度でいきなり大崩落している。
でも、風が来ると言うことは、その先のどこかが開口しているのだろう。
先行していた yakumo氏が、崩落の隙間に身体をねじ込ませる。

まるでモグラが土を掘り進むように少しずつ奥へ奥へと進んでいく。

奥に進めることが分かったので、全員でこの隙間をモグラのように通り抜ける。

崩落のせいか、掘削時のズリが残されているだけなのかは分からないが、壕床には土砂が山盛りだ。
ま、とりあえず、奥へと進んでみよう。

この地下壕もかなりの広さがありそうだ。

足下にある大量の瓦礫を登ったり下ったりしながら壕内を回って行く。

立つこともままならない坑道を這いつくばるようにして進んで行くと・・・。

あ!

なんと瓦礫の先は盛大に水没していた。
しかも、ここを越えないとどこにも行けなそう。
と言うことで、ウェーダーを装備して、今度はジャブジャブと水の中を進んで行く。

足を進めると、透明だった水はたちまち濁る。
足下が見えないと怖いなぁ。

と言うことで、みんなそれぞれバラバラの方向へ(*´w`*)
ま、そのうち出会えるでしょ。

まだ誰も通っていない坑道は水も澄んでいて最高だ\(^O^)/

その後、水没地点を過ぎ・・・。

荒れた壕内をくまなく回って行く。

そして、気がついてしまった!!

ここ、来たことあるよね・・・。
そう、全員が初めて潜っていると思っていた壕は、以前来た際にも潜っていた のだ。
ただ、その時は谷の反対側の壕口から進入したので、この壕が以前の壕だとは分からなかった。
あの隙間も、以前反対側から見ているはずだが、その際は崩落で行き止まりと判断していたのだろう。

新壕発見では無かったのは残念だが、今回は構造図を作るという目的があるので、まあヨシとしよう。

とりあえずは全ての区間を回ってみることにした。

盛大にガレた壕内だ。
行き止まりに見えるが、そのまま進んで行くと・・・。

崩落して出来た上部の空間へと登ることが出来る。

そして、そこから下ってを繰り返し、進んで行く。

かなりの時間をかけ、全ての坑道を回り、水没区の壕口より外に出ることに。

以前来た際は苦労して谷を下ったが、今回は地下を通ってこの場所まで来ることが出来てしまった。
ま、どっちが楽だったのかは微妙だが(^_^;

4時間程度も潜り続けていたので、ここでちょっと荷物を降ろして小休止。

10分程度の休憩を経て、早速次の壕を探しに行く。
今回はウェーダーとか荷物が多いので進むのに難儀する。

斜面を登ったり下ったりとしばらく壕口を探していると・・・。

おー、あったよ壕口!
早速内部へと滑り込む

内部は、幅 3mで高さは 2m程だ。

壕床には土砂があるが、さっきの壕よりかはきれいに掘られている。

倉庫か、地下工場目的で掘ったような感じなのだが、どうなんだろう。

この壕は壕口も広く、かなり快適なのだろうか。

コウモリがいろんな所で身体を寄せ合って眠っていた。
お腹にちょんと触れると、身体をぴくっとさせる。
なんか、めっちゃかわいい(*'ε`*)

壕口付近はきれいに掘られていると思っていたのだが、奥の方はかなり荒れてきた。

この奥は、かなり危険な空間のようで、様子を見に行った yakumo氏が『ここは行ったらあかん場所や!!』って、みんなを制止してた。
もしかしたら、見てはいけない物を見てしまったのかも知れない。

そんなこんなで、一通りの坑道を回ったので、そろそろ戻ることに。

ここも、当時の遺構自体は残されていないが、なかなか見応えのある壕だった。

と言うことで、今回の記事はここで終了ー(*´w`*)

かなり深い谷なので、慎重に登っていく。

湧き水も多く足下がぐちゃぐちゃで歩きにくいことこの上ない。

なんとか登り切って・・・。

この激薮の谷から戻ってきた。
こんな所に入り込んで遊んでるなんて、尋常じゃ無い気もするな(*´д`*)

てことで、片付けをして撤収です。

ちなみに、この一連の地下壕は、大井海軍航空隊が構築した地下壕だ。
海軍用地として当時管理されていた痕跡が、付近に石柱として残されていた。

逆に考えると、石柱の存在する付近には、地下壕が存在する可能性が高いと言うことか。
ここにはまだ別の地下壕もありそうだし、この地区はまた訪れてみたい。
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