そのすぐ近くに地下壕があるというので見に行ってみた。
と言っても、この壕は10年くらい前に1度潜っている。
ただ、内部がいろいろとヤバいことになっているので、装備も貧弱だった当時は早々に撤収してしまい、ブログにも上げなかったのだ。

と言うことで、某日夕方、相模運輸倉庫が保有している F号倉庫前に集合。
この倉庫は大正 6年に海軍の倉庫として建てられたものだ。
取り壊されてしまうという話も聞いたが、今のところ無事に残されていた。

現在は倉庫としては使用されていないようだが、外壁一面に張り付いた蔦が流れた年月の長さを感じさせる。

最近の開発によって撤去が進んでいる当時の引き込み線跡も、この倉庫周辺にはまだ残っていた。

と言うことで、早速 JR田浦駅近くの号に潜ることに。
日も暮れて真っ暗な斜面を登り、壕口へ向かう。
先に入壕したメンバーのライトが壕内を照らしている。

壕口から内部へと滑り込む。
早速奥へと進んでいこう。

奥へと進んでいくと何か見えてきた。

見えてきたのは床一面を埋め尽くす産業廃棄物。
内容物から、昭和末期に捨てられたものと思われるが、もの凄い量だ。

ゴミの山を乗り越えないと奥へは進めない。
仕方なく足場の悪いゴミの山をゆっくりと進んで行く。

場所によっては乗り越えることすら躊躇するようなゴミの山だ。

しかも、ゴミの中には大量のグラスウールが!!
それも、最近の建材に使用されるようなフワフワな物では無く、触れたら小さなガラス状の毛が体中に突き刺さり、しばらくチクチクが止まらないという、非常に危険な物だ。
触れるのはもちろんだが、肺に吸い込んでしまわないような装備も必要だ。

グラスウールに比べたら、廃材などのゴミは安心だ( ^ω^)
その中になかなか味のある看板が落ちていた。

すぐ近くにはマツダランプが落ちていた。
しかも、東芝とも書かれている珍しい物だった。
併記されている物は初めて見た。

どんどんと奥へと進んでいく。
この辺りにはゴミは全く無い。

壕床には車両の轍が刻まれていた。
おそらくこの付近までゴミを積んだトラックが入ってきて、奥へと産廃を投げ捨てていたのだろう。

この壕はまだまだ奥がある。
総延長は 800m程度だというが、ゴミを乗り越えて進まなくてはいけないせいか、それ以上に広く感じる。

あららまたゴミの山だ(^_^;

その先の天井付近には、不思議な隙間が。
どうやら元々開いていた自然の洞窟と、軍が掘り進めた地下壕が接続しているようだ。

銃眼が作られているように見える。
方角的に海側を向いているようだし、下部がコンクリートで固められているので、砲室ではないかと思う。
奥には大量のグラスウールが詰め込まれており、(安全に) 進むことはちょっと困難だった。

更に進んで行くと、コンクリートにより作られた部屋のような物が。
なんだろう、これは。

内部は完全にコンクリートで固められている。
奥の上部には抜け穴のような物が見える。

抜け穴をのぞき込んでみると、瓦礫によって塞がっていた。
懐中電灯で先を照らしてみたが、掘りかけなのか埋め戻しなのかは良く分からなかった。

コンクリートの部屋の奥には通路が続いているようだ。
しかし反対側からガラス戸を押し当てて大量のゴミが詰め込まれているようで、これ以上進むことは出来ない。

別の通路から更に奥を目指す。
分岐も多く、だんだんと方向感覚が麻痺してくる。
こんなゴミだらけの壕で迷ったら嫌だな・・・。

天井部分には地中から染み出した石灰が、鍾乳石を作っている。
なんか自然の洞窟みたいだ。

そして、この壕で一番ヤバそうなエリアがこの奥にあった。

そこにあったのは、壕床を埋め尽くす医療廃棄物。
明らかにヤバそうな薬瓶や注射針が大量に落ちている。

昭和 30年頃の物だろうか、ガラス製の注射器も落ちていた。

こんな所に長居していると病原菌に感染しちゃいそうだが、奥にある小さな穴が気になるのでとりあえず見に行ってみる。

高さは 1m程度しかないとても狭い穴だ。
どこかに続いているのかと、どんどんと奥へと進んだのだが・・・。

最後は瓦礫が詰め込まれて塞がれていた。
もしかしたら外部への抜け穴だったのかも知れない。

元来た通路へと一旦戻る。
別方向にまだ進めそうだ。

進んで行くと、天井部分に大量の釘が刺さっている部屋があった。
夏島や貝山でも見ることが出来るが、これはトタン板に釘を打ち、岩盤に止めていた跡であろう。

と言うことは、当時は居住区として使われていたのかも知れない。

JR田浦駅付近に開口している壕口辺りまで進んできたようだ。
外から電車の音が聞こえてきた。

さすがにここから外に出るわけにも行かないので、そろそろ戻り始めることに。

またこのゴミの山をかなりの距離戻らなくてはならないのか・・・。

蛍光灯の破片やグラスウールの山を乗り越えて、やっと入壕した壕口まで戻ってきた。
ゴミさえなければ、広いし、作りも良いし、楽しそうな壕なんだけどなあ。

ということで、ひとまず外に脱出!!
と言っても、外は真っ暗で、壕内と変わらないほど暗かった。
ゴミもすごいし、怪我や菌の危険もありそうだし、もうここには入ることはないかな(^_^;
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