原田橋は、そのダムの近くを走る国道473号が天竜川を越える急峻な山間にあった。
2015年の初頭、この橋が落橋し 2名の犠牲者を出した。
供用中の国道の橋の倒壊という残念な事故だが、落橋の直接の原因は橋台上部の斜面が崩れたことによるもので、橋の老朽化が原因ではない。
もっとも、橋自体も老朽化が進んでおり、新橋の工事も進んでいた最中の出来事だった。

この地図でいうと、『A』の位置に原田橋が架かっていた。
生活道路であるため復旧が急がれ、急遽、天竜川を跨ぐ『B』の位置に付け替えの仮設橋が作られた。
その仮設橋を航空写真で拡大してみると・・・。

増水時の写真なのか、橋上を越水しているではないか!!!
こんな写真を見てしまったら、見に行かないわけにはいかない。
そこで、早速、日曜日に見に行ってみた。

土曜日の仕事が終わり、横浜を出発。
新東名をひた走り、遠州森町PAにて車中泊。

翌日、早速佐久間ダムへ向かう。
いなさICを三遠南信道方面へ。

今回みたいに、1日だけで遠出するとき以外はあまり高速道路を利用しないが、何度通ってもジャンクションを走るのは楽しい。

ここから、無料開放中の三遠南信道へ入る。

無料開放中と言っても、まだまだ区間は短い。

あっという間に高速道路は終わり、国道 151号へ。

2車線と1車線の道路を繰り返しながら、北上していくと・・・。

やがて仮設橋の案内看板が現れた。
自転車通行不可と書いてある。
どうやら自動車限定のようだ。

国道から、仮設橋方向へと誘導する交差点までやってきた。
ここを右手に折れると、仮設橋だ。

と思ったら、交互通行にて供用しているようだ。

ということで、いよいよ仮設橋へ。

仮設の道路は、河川敷の中にコンクリートで盛り土をし、その上を通っている。

通常はこのように通り抜けられるが、ダムの放流時には通行止めとなり、仮設橋上を天竜川の濁流が越えていくようだ。

橋を渡りきった後は、河原の仮設道路を走る。
奥に見えているのは、現在工事中の、新々原田橋の橋脚だ。

架設の道路はやがて、河原と本来の国道を結ぶ上り坂へと接続された。
この道路はおそらく以前から河原に降りる道として存在していた感じだった。

ちなみに、この写真が在りし日の原田橋。
初代の橋は 1915年に架けられたが、これは 1956年に架けられた2代目だ。
この橋の左手の斜面が突然崩落し・・・。

建設中の新橋もろとも飲み込んでしまったのだ。

とりあえずは架設の沈下橋を走れたので満足だが、このまま佐久間ダム方面へと進む。
県道 1号線から飯田を抜け、諏訪経由で 20号を走って横浜まで帰ろうかと思っているのだ。
いくつかのトンネルを抜けると佐久間ダムはすぐそこだ。

数年ぶりの訪問だが、あいかわらずのスケール感だ。

毎回ここに来る度に、隣接するトンネル群も見て回るのだが、ここも見所がたくさんだ。

トンネル内部の雰囲気も最高だ。
そして、本来は立入禁止であるが、山の反対側まで抜けている横穴や、かつての展望台跡などいくつもの遺構が遺されている。
中途半端な探索しかしていないので今回は記事にはしないが、いずれ、遺構群を取りまとめて記事にしたいと思っている。

ダム横の駐車場に面した、取水口。
ここから取水し、発電所まで水を送っている。

ダムのゲートを真上から。
昔、このゲートの交換工事をしたという方が、奥さんを連れてダム見学に来ていた。
高所の作業だし、スケールもとても大きいので、さぞかし難工事だった事だろう。

クレストゲート上を見上げる、この重厚感!!
もうたまらん!!!(*´w`*)

ダムから下流方面に目を凝らすと、旧道が見えている。
かつてはダム見学ツアーのバスも走ったと言うが、現在は途中にある橋が通行止めのため完全に廃道と化している。
原田橋の工事が終わるまで、ここに行くのは厳しそうだが、機会を見て、この場所にも行ってみようと思っている。

まだお昼であるが、あまり長居していると、下道で横浜へ戻るのが厳しくなりそうなので、佐久間ダムを後にする。

佐久間ダムから北上する県道1号線はとても険しい道だ。
落石も多く、路盤に注意して走らないと、タイヤを傷つけてしまうのだ。

県道を進んで行くと、やがて大嵐駅へと到着した。
そして、大嵐駅への分岐から、まさかの崩落通行止め。
後で知ったのだが、かなり大きな崩落があり、半年以上通行止めが続いていると言うことだ。

現在いる『A』地点からこのまま進み『B』地点まで行く予定だったのだが、2時間掛けて回り道をしないと『B』まで行けないようだ。
うーん、これは困った。
通行止めでも行けちゃうことも多いし、とりあえずそのまま車で走って行って見ようかな・・・。
でも、Uターン出来ないと困るなあ・・・。

ま、とりあえずは大嵐駅を見に行ってから考えよう。

大嵐駅は駅の両側がトンネルに挟まれている珍しい駅だ。

こちらが豊橋側のトンネルだ。

そして、飯田方面もこのようにトンネルが口を開けている。
ちなみに、ここ大嵐駅で こばさんという方と出会った。
この方は自転車でいろいろと出掛けているようで、県道1号の崩落地点を見に行くという事で、車から自転車を降ろしていた。
自分も見に行きたかったのだが、今日は探索するつもりで来ていないので自転車は持ってきていないのだ。

大嵐駅からちょっと南下してみる。
ダム工事による線路の付け替え前はこちらに線路が通っており、現在は道路となっているのだ。

1本目の短いトンネルを抜け、どんどんと進んで行く。

そして2本目の長いトンネルへと入っていく。
前回訪れた際は照明も消えており真っ暗だったが、今回は照明が灯っている。

トンネルを抜け、車を駐める。
車を駐めたこの道の奥には、なぜこんな所に!!という集落があるのだ。
ものすごい場所にある集落を見に行ってきた という記事にしているので、興味のある方は是非(='ω')ノ

ちなみにこの付近には数台の車が駐車されていた。
以前は気がつかなかったのだが、この場所から湖へと降りることが出来るようで、釣り人の物なのだろう。

せっかくなので、長らく通行止めとなっている県道も、ちょっとだけ見に行ってみよう。

相変わらずの酷い状態だが、数年前に来たときと、さほど変わりは無いように見える。

放置されている車両も同じ場所にあった。

車を駐めた付近から通行止めの県道を見てみる。
うん。
あれ?
え!?

比較的安全そうに見えていた路盤だが、確実に痛みは進行しているようだ。
何かのきっかけでここが崩れると、この道の通り抜け難易度は一気に上がりそうだ。

こんな状態の県道ではあるが、まだ県道としては放棄されていないようで、地図にも道が乗っている。
GoogleMapでも普通に道案内されちゃうのが怖い(((;゚Д゚)))

温泉も入って帰りたいので、早々に今来た道を戻り始める。

それにしても、連続するトンネルって、なんでこんなにいい雰囲気なんだろう。

大嵐駅から旧富山村の中心部へと車を走らせる。
中心部と言っても開いている店舗もなく、辺りは閑散としている。
前方の山の中腹に建てられているのが、富山小中学校だ。

富山小中学校を降りてきたところにある信号機。
本来、この場所に信号機は必要ないし、以前は信号機も設置されていなかった。
しかし、村を出た子供たちが都会へ出て信号機を見たときに戸惑わないようにとの配慮で教育用に設置されたものだという。
残念なことに、小中学校は 2015年をもって廃校となってしまい、押しボタン式であるこの信号が変わることも無くなってしまった。
閉校時は、小学生、中学生合わせ、18人ほどの児童がいたようだ。
思ったより人数がいて、ちょっとびっくり!

村のはずれにある湯の島温泉に入っていくことに。
この温泉は土日の午後しか営業していないようだ。

他に入っている方がいたので内部の写真は撮れなかったが、露天風呂もある、良い温泉だった。
ここで先ほど大嵐駅で出会ったたこばさんと再会し、再度話をすることができた。
こばさんによると崩落はかなりの規模 で、無理矢理通り抜けられるような物じゃ無かった(*´д`*)

回り道をして天竜に抜ける方法も考えたのだが、そんなに大回りをしていては、帰りが遅くなりすぎてしまう。

幸いにも本日は豊根方面に抜けることが可能なので、豊根から飯田に出て国道 151号から帰ることにした。

細く険しい愛知県道 426号を進んでいく。

こんな険しい道でも、線形の改良は行われているようで、随所に旧道が見られた。
場所によっては対岸に旧道が残されている個所もあり、木々の隙間からガードレールが見え隠れしていた。
時間があるときにゆっくり見に来たい!

峠付近のトンネルを越え、峠道を下っていく。

やがて、国道 151号との交差点へとたどり着いた。
国道 151号も改良が進んでいるようで、接続部分は国道 151号のバイパス部分のようだ。

県道から国道へと入ったものの、国道とは思えないような道が続く。

久しぶりに街が見えてきた。
長らく圏外が続いていた携帯も、電波を拾い始めた。

なんだか重厚な造りの道の駅があったので寄ってみた。

内部はお土産屋と食事処になっていた。
朝にパンを食べて以来何も食べていなかったので、ここで馬刺し定食を食べたのだが、本当に美味しかった(^^♪

横浜は今日も真夏日だというが、長野の山間部は 24度と快適。
窓を全開にして走ると、初夏の気持ち良い風が入ってくる。

しかも、国道 151号のこの線形!
もうたまらん!

国道 153号へと合流し、諏訪に向かっていく。

国道153号は現在バイパス工事も進み、以前とは比べ物にならないほど快適な道路へと変貌していた。
平均時速は 70~80Km/hで流れており、信号も少ないためかなり快適だ。
時刻も 19:30を回り、そろそろ日没だ。

国道 20号へは、国道 361号を経由して、高遠を通り抜けることにした。

と言うのも、この道にはちょっと面白いものがあるのだ。
真っ暗な道を進んでいくと前方に何やら人影が・・・。

そう、ここにはなぜか、警察の取り締まりを模した人形があるのだ。
以前は椅子に座りネズミ捕りをしている姿だったが、今回は立ち上がっていた。

諏訪を抜けたところで、1回目の給油。
横浜からの走行距離は 450Km程だった。

その後は下道で横浜まで帰るつもりだったのだが、大月の辺りで 23:00を越えてしまったので、大月から圏央道経由にて横浜まで帰った。
だって、明日も仕事だし・・・。
ということで、原田橋と大嵐、富山村辺りをぶらぶらしてきただけの記事であったが、たくさん走れて大満足でした。
今回の走行距離は 600Kmほどでした。
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