
この周辺に、軍の構築した地下壕があるというので早速見に行ってみる。

トンネル脇に平場が作られているが、その先の山肌にいくつかの穴が開いているという。
山肌をガサゴソしながら歩いていくと…。

早速、壕口が口を開けている。
縦長に掘られた坑道は、洞窟陣地を彷彿とさせるが、果たして内部はどうなっているのだろう。

長靴程度の水没を、ジャブジャブと内部へ進入していく。

つきあたりまでやってきた。
坑道はここから右に折れているようだ。

しかし、曲がってみると、すぐに閉塞部が見えていた。
閉塞部はちゃんと平らに削られているし、この壕はこれで完成だったのかな。

内部を一通り見て回ったので、再び水没区間を越え、壕口へ戻る。

壕口を出て、そのまま少し進むと、また壕口が現れた。
もう既に誰かが入っているようで、懐中電灯の光が見える。

内部はかなり狭く、すれ違いも難しそうなので、出るのを待ち入ることに。
壕口付近は土砂が堆積して狭かったが、内部の高さは 1.8m程度はある。

洞窟陣地のような坑道を進んで行くと、また曲がり角が現れた。
今度は左手に折れている。

しかし、先ほどの壕と同様に、すぐに閉塞部が見えている。
この閉塞部の先は、先ほど潜った壕の最奥部方向だと思うが、繋ぐ予定は無かったのか、突き当たりの壁面はきれいに処理されていた。

それ以外の壕口は見つけられなかったので、今度は道の反対側へ移動することに。

廃道となった国道 465号の旧道部分を歩いて行くと、旧佐室トンネルが見えてきた。
左側にも穴っぽい物が見えるが、これはお社的なものだった。
でも、その右側にあるのは何だろう。
場所的には旧々トンネルの可能性は低そうだが・・・。

右手にあるトンネルに近づいてみると、『佐室歩道トンネル』と扁額が架かっていた。

すぐ横にある旧トンネルには、右書きで『佐室隧道』と扁額が架かっている。
幅員は 4.7mしかない。
帰ってから調べてみると、このトンネルは道幅が狭く車のすれ違いもままならないので、先ほど見た、歩道トンネルをすぐ隣に掘ったようだ。

と言うことで、早速登山道を上っていく。
なんでも、尾根付近に銃眼を備えた狙撃用の壕が残されているというのだ。

しかし、昨年の台風の影響か、登山道は荒れ果てており、崩落している箇所もある。
倒木も多かったので、斜面を尾根に向かって登っていくことに。

息を切らしながら登っていくと、やがて尾根が見えてきた。

周辺を探すと、尾根の直下に壕を発見!!
本当に、尾根の真下に構築されている。

壕口からは、そのまま銃眼を見ることが出来た。
内部へと入ってみると・・・。

内部は数人が棲息出来るくらいの部屋となっている。
銃眼は、いすみ市の海岸から上陸した敵兵が、下方の道路を歩いてくるのを狙えるようになっているようだ。

壕を出て、周辺をガサゴソしていると、もうひとつ壕が見つかったと連絡が入った。

斜面の下の方から、フラッシュライトで知らせてくれているが、斜面は急だし、荒れているし、なかなか近づくことが出来ない。

辿り着いた壕口は開口部こそ広いものの、段差もあり内部はかなり狭そうなので、身につけている装備を全部降ろす。

そして、足の方から、ゆっくりと内部へと体を滑り込ませる。

壕床は多少の水没があった。
そして、両肩が壁面に触れるくらいの狭い坑道が奥へと伸びている。

狭い坑道を進んで行くと、やがて広い部屋へと辿り着いた。
先に潜っている、yakumo氏と OKN氏が何か調べている。

この銃眼も、眼下の道路を狙っているようだった。

一通り内部を見て回ったので壕口へと戻り始める。
入るときはかなり大変だったが、内部から見ると、そのまま歩いて出られるような感じに見える。
だけど、やはり段差があり、出るのは大変だった。

そのまま尾根へと上がってみる。
先ほどの銃眼の外側を調べに行きたかったのだが、かなりの急斜面だ。

yakumo氏は木を足がかりにして急斜面を下りていったが、自分の体力だと戻れなそうなので断念した。
てか、のぞき込むのも怖いくらいの斜面を、ロープ無しで下りていくとは!!!

yakumo氏も無事に戻り、尾根道を進んでいく。
すると、尾根道上にかなり古そうな木製の電信柱を発見。
プレートをこちら側に向けて、2本並んで立っているが、この写真だと分かりずらいか・・・。

プレートには、『佐室165 / 91.1』 と書かれている。
木製でかなり古そうではあるが、30年前には使われていたようだ。

すぐ隣に立っている電信柱のプレートは、『佐室副柱 / 91.1』と書かれていた。

その後、尾根道をどんどん進んで行くと、突然尾根道が途切れた。
斜面を下ってみると、どうやら古道の切り通しのようだ。

古道を進んでみると、道の脇になにやら壕口らしき物が!!

のぞき込んでみると、間違いなく人工的な掘り込みだ。
入り口が埋まっているせいか、壕口は1m程度の縦穴となってしまっている。

段差を下り、内部を覗いてみる。
奥は部屋になっているようだ。

部屋には窓のような穴が作られていた。
穴は古道に向けられている。
これも、敵兵を狙う、銃眼なのだろう。

銃眼の反対側に目を向けると、通路が奥へと伸びている。
真っ暗な坑道は空気の流れもなく澱んでいる。
とりあえず、奥まで行ってみよう。

狭く暗い坑道を奥まで進んでいくと、やはり奥は閉塞して終わっていた。

と言うことで、時間は早いが、本日の探索はここで終了。
壕口から這い出て、一気に下山する。

その後、スーパーにて食材を買い込み、海辺の広場で遅めの昼食をとることに。

山登りの疲れで気絶している自分をよそ目に、皆テキパキと火起こしや鍋の準備をしている。

そして、夕方まで大量の焼き鳥や、具たっぷりのキムチ鍋でワイワイする。

運転があるのでお酒は飲めないし、そもそも明日は仕事なので、早めの解散。
アクアラインの川崎方面は、既に渋滞が始まっているようだ。
高速乗ってもアクアラインの渋滞で時間を取られるので、国道 409号にて帰路につく。

木更津市に入っても、まだアクアラインは渋滞しているようなので、温泉にでも寄っていこうと、君津市にある房総四季の蔵とかいう施設に立ち寄った。
見た目はまるっきり道の駅のようだが、道の駅一覧には載っていないので、違うのだろう。

施設内の温泉に入り、小一時間時間をつぶす。

そして、20時を回り、ガラガラに空いたアクアラインで一気に横浜まで。
今回は、いすみ市の白土鉱山から、佐室周辺探索まで、短い時間の探索だったが、まだまだたくさんの遺構が眠っていそうなので、千葉県方面の探索も、また行こうと思う。
- 関連記事
-
-
[戦跡] 沼津市の畑の下にある旧軍の地下施設を見てきた 2015/06/11
-
[戦跡] 州崎第一砲台跡~香寺山砲台探索 2017/09/07
-
[戦跡] 久々利の廃トンネル 2011/10/26
-
[戦跡] 沖ノ島の遺構 2011/02/23
-
[戦跡] 観音崎砲台跡探索~2 2009/04/25
-
尾去沢鉱山を見に行ってきた~地上遺構編 2016/09/13
-
ちょっと国道152号の様子を見に行ってきた。 2021/10/11
-