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[戦跡] 観音崎砲台跡探索~2  2009-04-25

この記事は、観音崎砲台跡探索~1 からの続きです。

観音崎第三砲台を後にし、今度は三軒家砲台へと向かっていく。
三軒家砲台も明治時代に構築された砲台であるが、観音崎第三砲台が関東大震災後に除籍されてしまったのに対し、三軒家砲台は復旧工事により修復され、昭和9年まで東京湾防衛の重要拠点として機能していた。


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三軒家砲台に向かう途中に大きな公園があった。
ここにも砲台があったらしく、公園のあちこちに当時の遺構を見ることができた。
この写真に写っている掩蔽部は、下半分以上が盛り土により埋められてしまっていた。




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こちらの構築物も土に埋もれてしまっている。




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公園から坂道を下っていくと、三軒家砲台入り口の門柱があった。
以前訪れたときには門柱の脇に煉瓦の壁があったのだが、現在は危険防止のためか取り壊されてしまっており、門柱だけが残されていた。




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砲台へ向かう道の脇には壕が掘られていた。
同じ作りの壕が並んでいることから、おそらくそれぞれが単独壕だと思われる。
入り口はコンクリートで塞がれており、取り付けられた扉にも鍵が取り付けられているため、内部がどうなっているのかは分からない。




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三軒家砲台跡。
これと同様の砲台跡が4つ並んで構築されている。
当時ここには 27cmカノン砲4門が設置されていた。
また、この奥にも 12cm速射カノン砲2門が設置されていた。




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砲座間の地下には弾薬庫と思われる掩蔽部が構築されていた。




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地下入り口をのぞき込んでみると、土砂に埋もれた掩蔽部が見える。
階段があると思われる場所には、大量の腐葉土が堆積している。
入り口はしっかりとコンクリートにより固められているが、コンクリートに穴が開けられているのを発見してしまった。

中が見たい!!



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足を進めると、柔らかい腐葉土ゆえ靴がどんどん沈み込んでいく。
なんかミミズがいそうだし、幼虫もいそうだし、ふかふかして気持ち悪いけど、気持ち悪いのさえ我慢すれば命に関わることは無さそうなので、気にせずどんどん下っていく。

なんとか最下部に辿り着いた。
靴の中に泥が入り込んでいるような気がするが、まあいい。
早速コンクリートに開けられた穴から中をのぞき込んでみるが、当然真っ暗で何も見えない。
カメラをマニュアルフォーカスにセットし、穴に腕を突っ込んでフラッシュ撮影してみる。




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撮れた写真がこれ。
内部は2部屋に分かれていた。
おそらく奥が弾薬庫で、手前の部屋からは地上の砲台へ砲弾を上げる事が出来たのだろう。

この弾薬庫も観音崎第三砲台近くにあった弾薬庫と同様に、内部にはたくさんの焦げ跡があった。




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先ほど降りてきたのと反対側の腐葉土をよじ登り、地上へと戻っていく。
もう、足泥だらけだわ…。




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三軒家砲台のすぐ横に、『危険注意 近づかないで下さい』と書かれたパイロンが置いてあった。
近づかないで下さいという割りにはパイロンは1つだけで、特に道が閉鎖されているわけでもない。
ホントは近づいて欲しいんじゃないかと思われるくらい、やる気のない注意書きである。




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先へと進んでいくと明らかに人工的に造られた深い掘り割りの道が続いている。
側壁にへばりついた木の根がラピュタを彷彿とさせる。
こんな景色、どこかで見たなと思ったら、東京湾にある無人島、猿島で見た景色と酷似している。
猿島も東京湾防衛の一端を担っていた要塞島で、島全体が要塞となっているのだ。




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この通路を見学者が安全に通れるように整備したら、落石防止フェンスが設置されてしまうだろう。
そんな事になったら雰囲気が台無しになってしまうだろうから、だったら立入禁止のままでいいやと思う。
路面には崩落した石が多少あったものの、それほどの危険は感じなかったのだが、あくまで自己責任ですよ。




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掘り割りを行き止まりまで進んで行くと2つの掩蔽壕が掘られていた。
どちらも完全に塞がれており内部は全く見ることが出来なかった。




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しかし見事な掘り割りだ。


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掘り割りをぐるっとまわって三軒家砲台跡に戻ってきた。
この写真は、12cm速射カノン砲が設置されていた場所の下部にある弾薬庫。
イギリス積みで美しく積み重ねられた煉瓦だが、一部色が違っている。
この場所は見学者もたくさん来る場所なので、修復されているのかも知れない。




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入り口には当然鍵がかけられていたが、かんぬきが錆び付いているため鍵を開けても入るのは難しそうだ。




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観音崎公園内にはまむしが生息しているらしく、まむし注意の看板を見かけた。
ただ、何をどう注意すればいいんだろう。
蛇よけの鈴でもつけて進入すればいいのか?




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観音崎には他にもいくつかの砲台跡があるようだが、今回は観音崎第三砲台と三軒家砲台周辺を探索してきた。
公園として整備されてしまってはいるものの、案内板には書かれていないたくさんの遺構がまだまだたくさん残されていると思われる。

ちなみに、海岸沿いにもいろいろな遺構が残されているのだが、この写真の遺構は旧軍が構築したもので、弾薬を輸送船から荷揚げする際にロープを結びつけ係船するための物らしい。
他にも、潮の干満を調査する検潮所跡(他にも諸説あり)や、関東大震災で崩落したままの当時の灯台の残骸など、たくさんの遺構を見ることが出来る。

次回探索の際には、海沿いを廻ってみようと思っている。
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コメント

観音崎大好きです

tonotama様、三軒家、大浦堡塁方面探索ご苦労様です。
三軒家園地と掘られた変な形のモニュメントが在る曲がり角に
公衆トイレがありますが、その裏に隠されたコンクリート製の見張り所等の遺構があります(掘り割りの上あたり)その先は砲台前のコンクリの四角い井戸の様な物の横の階段に出てきます。
また、門の横の壕は掘り割りの奥の壕に貫通しています。

大浦堡塁方面で桁下20M位の切り通し?の橋の根元に、欄干を跨いで体を乗り出すとレンガ造りの旧橋桁の一部が見れます。(ちょっと怖いですが)

この地区には普通には見えにくい(見えない様にしてるのか?)
遺構が数多くあります。
自分は30年程前にこの辺に住んでおり(壕の中に住んでいた訳ではありません)ガキの目線と行動力で走り周っていました。
遊歩道も大半はどろどろでしたが、一部の穴は侵入可能でした

整備され一般公開される事は、良い事なのかも知れませんが
大半の穴が塞がれ、柵やネットで近寄れなくされてしまうのは
自分には悲しい事です(安全には代えられないとはいえ)。

  • 2009/04/26(日) 10:55:29 |
  • URL |
  • yakumo #-
  • [ 編集 ]

ふ、深くなっている‥

ご無沙汰ですみませんでした。
穴ログは穴だけにどんどんディープになってますねぇ。
こんなラピュタかカンボジアみたいな場所が近場にあるなんて、
チョット不思議な感じです。
地雷は無いだろうけど、くれぐれもマムシを踏まないよう
気をつけておくんなまし。

  • 2009/04/26(日) 22:55:23 |
  • URL |
  • 野良上手 #-
  • [ 編集 ]

たしかに

>>yakumo様

たしかに、一般公開され、多くの方々に遺構を知ってもらうのは良いことだとは思いますが、本来の姿を見せなければ意味がないような気もしますよね。
まあ、管理している行政側としては、何かあったら責任を取らなくてはいけないのでしょうが、昔に比べるとあまりに管理されすぎていると思います。
私は幼少時代を埼玉県の所沢で過ごしたのですが、現在航空記念公園として整備されている場所には掩体壕や洞穴がたくさんあり、小学生の頃は友人みんなで探検した事を思い出しました。
たしかに今考えると危ない場面もたくさんあったと思いますが、そう言う経験が出来ない今の子供はかわいそうな気もします。

観音崎周辺にはまだまだたくさんの遺構があるようですので、今後とも探索を続けたいと思います。

  • 2009/04/26(日) 23:52:18 |
  • URL |
  • tonotama #GHYvW2h6
  • [ 編集 ]

ご無沙汰です!

>>野良上手様

ご無沙汰してます!
四日市はどうですか?
三重県にもたくさんの戦跡が残されていますので、探索の際には立ち寄らせて頂きます。
鈴鹿海軍工廠の遺構が、当時のままの姿でたくさん残っているようですので、開発の波に飲み込まれる前に行ってみたいと思っています。
関の地下壕とか、潜りたい!!!

  • 2009/04/27(月) 00:04:04 |
  • URL |
  • tonotama #GHYvW2h6
  • [ 編集 ]

要塞ワールド観音崎

こんばんは。調査お疲れ様です!
私も良く観音崎に行きます。北門第二砲台の観測所などなかなか良いですよ。観測所下部の掩蔽部は塞がれていないので中を見ることができます。

  • 2009/04/27(月) 22:48:20 |
  • URL |
  • 榴弾砲 #-
  • [ 編集 ]

北門第二砲台

>>榴弾砲様

こんばんは!
今回の調査は北門第二砲台にも行く予定だったのですが、時間が無くなってしまったため、行け
なかったんです…。
掩蔽部に進入すると、トンネル内部の閉塞部まで行けるみたいですね。

近々中に潜りに行きたいと思います!

  • 2009/04/27(月) 23:07:10 |
  • URL |
  • tonotama #3skNCNf.
  • [ 編集 ]

掩蔽部

こんばんは。北門第二砲台の砲座内掩蔽部入口なのですが鉄の蓋が設置されて中に入れなくなってしまいました。とても残念です。
以前トンネル手前の砲座の掩蔽部入口の鉄の蓋がなぜかずらされていた時に一度内部に入ったことがあります。トンネル内の閉塞部につながっていました。
掩蔽部など塞がずに公開すべきだと思います。危険だからというだけで塞ぐのはどうかと思います。

  • 2009/04/28(火) 16:57:42 |
  • URL |
  • 榴弾砲 #-
  • [ 編集 ]

残念…

>榴弾砲 様

侵入口に蓋がされてしまったということで非常に残念です。
近いうちに状況を確認してきます!

  • 2009/04/29(水) 07:56:43 |
  • URL |
  • tonotama #GHYvW2h6
  • [ 編集 ]

蓋が!

こんにちは。本日観音崎北門第二砲台に行ってきました。
トンネル手前の砲座の掩蔽部入口の蓋がずらされていて中に入ることができました!
中に入れるのは今のうちかもしれません。
中に入るときは入口付近は水没していますので長靴があったほうが良いです。蛙もいますので注意してください。

  • 2009/04/29(水) 16:41:59 |
  • URL |
  • 榴弾砲 #-
  • [ 編集 ]

お~

蓋がずらされていたと言うことは、溶接等で固定はされていないということですね。
新情報ありがとうございます!
早速今週末にでも…。

  • 2009/04/29(水) 17:32:20 |
  • URL |
  • tonotama #GHYvW2h6
  • [ 編集 ]

他の砲座の掩蔽部入口の蓋はボルトで固定されていて動かせそうにありませんでした。
トンネル手前の砲座の掩蔽部入口の蓋は押したら動きました(笑)
ボルトが外れているようです。


  • 2009/04/29(水) 17:58:14 |
  • URL |
  • 榴弾砲 #-
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