横須賀市浦賀に位置するこの場所には戦時中に大砲の着弾試験を行なっていた巨大掩蔽壕が残されている。

この地図は、当時の米軍が作成したものである。
着弾試験場があった場所は、『Gun range』と記載されている。
海上からこの場所に向かい、試験射撃を行なっていたらしい。

早速現地を訪れてみると、団地の奥に巨大な掩蔽壕が口を開けている。
日常空間にある、非日常的な景観に圧倒される。

壕の正面から見てみると、砲弾が当たった跡がそこかしこに見られる。

内部のコンクリートも着弾により破壊されているのか、大きくえぐられ、鉄骨が剥き出しになっていた。

壕内は、奥が盛り上がっているが、内部には侵入していないため、詳細は分からない。

金網と鉄条網により閉鎖されているだけなので進入は容易なのだが、団地のすぐ脇にあるし、通報される可能性もあるため、侵入は避けたほうが良いと思われる。

奥の閉塞部も当時はコンクリートで覆われていたのだろうが、着弾により破壊されたのか、中央部分より下が剥がれ落ちていた。
上部の鉄骨も剥き出しとなっており、当時の着弾の衝撃を物語っていた。

終戦後に破壊された壕はたくさんあるが、この壕は壊すための破壊ではなく、砲弾試験の結果の破壊だと思われるため、当時の姿がそのまま残っているのは貴重だと思う。
開発が進んだ際に撤去されてしまうのかは分からないが、是非、後世に残して欲しいと思う。

当時ここに砲弾が撃ち込まれていたのを想像すると、現在の静けさが対照的に感じた。
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