先日訪れた時は、厳重な警備に阻まれ到達不能であった。
今回は、海岸線からの登頂により、砲台跡を目指した。

燈明堂の駐車場から海岸線に沿って歩いていくと、細い分岐を発見。
とりあえず山側へ進まないと話にならないので細い分岐へと進む。

道なりに進むと『注意#$%につき&$#禁止』の看板があった。
草がじゃまで内容はよく見えなかったんだが、同様の看板がそこいらじゅうに建っているので、探索は自己責任で。

見上げると、自衛隊通信基地のアンテナが立っているのが見える。
あそこまでここから登って行ければ、砲台跡へと辿り着けるはずである。

登っていくと、別荘の跡地みたいな物があった。
まるで、お墓か神社のような入り口である。

上部には基礎が残されていた。
また、玄関脇と思われる箇所に煉瓦造りの塔が建てられていた。
当時何に使用していたのかは分からないが、ミニチュア弾薬庫みたいでかわゆい!

草原の中に石造りの建物を発見。

近づいてみると、監視小屋のような作りであったが、強度はなさそうだ。
これはなんだろう。
中に入ってみたが、謎な建物だった。

そのまま山肌を登っていくと、ようやく鉄塔が見えてきた。
頂上はもうすぐだ。

ついに自衛隊通信基地の横に辿り着いた。
しかし、なんか人の気配が…。
木々の伐採作業をしている人がいるようだ。
そういえば、断続的にチェーンソーの音が聞こえている。
これ以上近づいたら誰かに見つかりそうだ。
地面を踏みしめる、ザクザクと言う音が妙に大きく感じた。
これ以上進むのはやばいかなとも思ったのだが、この写真の中央部分!!

壕口見つけちゃった!
うおー、入りたい!!
けど、見つかったらチェーンソーで切り裂かれてしまうかも…
でもこんな状況で引き返すのは絶対に無理。
チェーンソーの音に紛れて中腰で移動する。
チェーンソーが止まると俺も足を止める。
辺りは静けさに包まれる。
ちょっとでも足を動かすと、カサカサと言う音で気付かれてしまいそうな緊張感がたまらん!
チェーンソーが再び動き出す。
一気に壕口へ向かった。

でたー!でたー!、念願の千代ヶ崎砲台。
保存状態も良くテンションは上がりまくり!!

早速内部へと滑り込んだ。

どんどんと進んでいくと、右手に分岐点が。

どうやら山の上部へと登る通路となっているようだ。

直進すると部屋になっており行き止まりになっていた。

内部は崩落は見られず非常にきれいだった。
出入り口周辺には破損部分が見られたが自然な崩落では無いようにみえる。
終戦後の金属泥による破損であろう。

先ほどの分岐を上部へ登っていくとやはり外へ通じていた。
ただ、チェーンソーの音がすぐ近くで聞こえており、外に出るのは危険そうだ。

仕方なく、再び地下へと戻る。

そういえば、階段のすぐ下に良く分からない切込みがある。
上部から潜入する際には穴に足を取られぬよう注意が必要だ。

この付近には巨大地下要塞が構築されているという話だったのだが、この壕はこれで終わりだった。
侵入した入り口に戻ることにする。

侵入した壕口から出てすぐに、自衛隊通信基地の地下に壕口があるのを発見。
ただ、壕口の前まで行くと伐採作業員に見つかってしまう。
とりあえず山肌に沿って中腰で移動し、壕口が良く見える位置へと移動する。

壕口にはしっかりした柵が取り付けられていた。
仮にも自衛隊通信施設の地下部分である。
テロ対策上当然であろう。
ちなみに自衛隊通信施設の撤退は決まっているので、撤退まで侵入はおあずけ。
千代ヶ崎砲台の自衛隊が使用していたエリアの徹底調査をしてきました!!

周辺を探索していると、地下にもぐりこむような施設を発見。
早速降りてみる。

中を覗き込むと通路が奥へと続いている。

奥へと進んでいくと、通路は行き止まりとなった。
左側に入り口があり、内部は部屋になっていた。
この写真は、その部屋の一番奥から部屋の入り口を写したもの。

再び外に出て、周囲を探索する。
壕が埋まっているはずの山の木々はすっかり伐採されてしまっている。
一体これらの壕はどうなってしまうのだろう。
無事を願わずにはいられない。

山に沿って歩いていると壕口を発見した。
しかし、一番初めに入った壕から地上に上がってきた部分がここだと思い込み内部には入らなかった。
家に帰ってから、内部からの写真と比べてみて、垂れ下がる木々の形が明らかに違っており、未踏の壕だと判明した。
再度の調査が必要となってしまった。

ちなみに自衛隊施設周囲の警備は非常に厳しいので、くれぐれも不法行為等には注意。

なんか尋常じゃないほどの鉄条網だし…。

金網から離れ、山を下っていく途中、当時砲台が設置されていた跡が残っていた。
直径 10m程の巨大な穴が地面に開いているのだが、正直この写真だと分かりづらい…。

更に山を下り、砲台の下に伸びる道を進む。
法面には石垣が築かれ、この道が当時の軍道である事をうかがわせる。

道なりに進んでいくと、すごい遺構が現れた!!
砲台地下部分の構築物だと思われるのだが、コンクリートで作られた様は不気味でもある。
煉瓦で覆われていない分、無機質な存在感が圧倒的だ。

内部も壕によってはとてもきれいである。
とても戦前の物とは思えないほど保存状態も良い。
って、これって戦前の物だよね!?

当時、動力設備があったとされる壕である。
薄暗い壕内に、大きな穴が口を開けている。
落ちたら上がるのが大変そうだ。

壕の奥の土砂の上から光が差し込んでいたので行ってみた。

崩れたのか埋め戻したのかは分からないが、上部の30cm四方の穴の周りには石が積まれているようだ。

壕内から外を望むと、まるで時が止まったような錯覚を覚える。
木々のざわめきと鳥の鳴き声だけが遠くから聞こえてくる。

千代ヶ崎砲台群はかなり大規模な施設であったが、なんとかこのままの姿を後世へと残して欲しいと切に願う。
千代ヶ崎砲台再調査行ってきた
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