季節もすっかり秋めいてきたので、久しぶりに八ッ場ダムを見に行くことにした。

今回は、土曜日の夜に横浜を出発。
第三京浜を北上し、関越自動車道で一気に渋川伊香保インターまで行ってしまうことに。
その夜は、渋川伊香保インター近くの道の駅こもちにて車中泊。

翌日は、国道353号から国道145号へ。
あっという間に八ッ場ダムへ到着だ。
ダム周辺エリアは、駐車場はたくさんあるので車で回ることも可能だが、そこまで範囲が広くない。
かと言って歩いて回るには広すぎるので、いつも自転車を持参している。
今回も自転車に乗り換えて探索を開始する。

早速、川原湯神社の入り口交差点へとやってきた。
しかし、以前はあった下りの道路が行き止まりとなってガードレールで塞がれている。

ガードレールの向こう側は、どうやら法面になってしまっているようだ。
下を見下ろすと真新しい道が出来ている。

まだ、開通はしていないようだが、八ッ場大橋方面へと続いているようだ。

同じ位置の以前の写真だ。
ガードレールで塞がれていた場所は、以前は、谷底へと下って行く細い道路だった。
一つ上の現在の写真と、この写真の左下に写っている家の屋根で、位置関係が分かるだろうか。

赤い丸が、旧川原湯神社の入り口交差点。
赤い丸と黄色のラインの中間あたりが、上の写真の撮影位置。
黄色のラインが、新しくできた道路だ。

ぐるっと迂回して、新しくできた道路へと行ってみる。
住宅があるので車両も入れるようだが、通り抜けは出来ないと書かれている。

そのまま進んで行くと、微妙な位置で、完全に通行止めとなっている。
何故この場所なのかは分からないが、とりあえずそのまま進んで行く。

先ほど上からこの場所を見下ろしていた真下にやってきた。

この先は八ッ場大橋だが、どこまで行けるのだろう。

そう言えば、昨年、対岸からこの場所を撮影しているが、元の地形に関係なく、凄い場所に道路を作っているなと思ったのを思い出した。

新しく作られた道路の左側下に、なにやら公園のようなものが整備されている。
奥にある屋根の形になんだか見覚えが・・・。
以前はこの辺りに足湯が整備されていたのだが、あの屋根の場所が新しい足湯なのだろうか。

新しく作られた道の右側を見下ろしてみる。
すると、以前の足湯がまだ残されているようだ。

以前は、谷に下る一本道の側にこの足湯があった。
奥に見える石段は、旧河原湯神社へと続く階段だ。

新しく作られた道路の下に降りてみたが、道路の下を通過できないように柵が作られていた。
恐らく、旧足湯の側に、源泉の設備があるためでは無いかと思われる。

旧足湯は、上から見えていたし、わざわざ柵を乗り越えてまで見に行くような場所では無いので、公園へと戻る。

公園は閉鎖されているが、もう完成しているようだ。
足元のアスファルトには、測量の跡が残されていた。

新しくできた道路へと戻り、進んで行くと、あっけなく八ッ場大橋まで来てしまった。
道路としては既に完成しているので、あとは、手続きとか、事務的な処理が終われば、早々に開通しそうだ。
このまま八ッ場大橋を渡って対岸へと向かう前に、ちょっと、橋の支承を見に行ってみることに。
この規模の橋にどんな支承が使われているのか、やっぱり気になるでしょ。

橋の真下に設置されている支承。
この支承に掛かっている橋梁の重量を考えると、なんだか興奮してくる。 ←

昔のレポ でもこの場所からの写真を公開しているが、その時は、まだ湛水前だった。
今では目の前に湖が出来て、景色はすっかり変わってしまった。

八ッ場大橋の橋上から、もう一つの橋、不動大橋方面を眺めてみる。

同じ位置からの以前の景色がこれだ。
眼下に見えている鉄橋や道路は、撤去されずに今でもこのままの姿で湖底に沈んでいる。

湖面に顔を出しているこの道路の下にも・・・。

こんなにたくさんの構造物が沈んでいるのだ。

八ッ場大橋橋上から見る八ッ場ダム。
もう、ずっと昔からそこにあるみたいに、景色に溶け込んでいる。

八ッ場大橋を渡り、国道145号から不動大橋を目指す。
久森トンネルが見えてきた。
歩道も広いし、安全に通り抜けられそうだ。

トンネル内部に入ると、コンクリートの径間に番号が書かれている。
このトンネルも完成して早10年。
補修のための調査をしているのかもしれない。

足元に、指差呼称の看板が。
どこかから飛んできたのだろうか。

側面に何かのくぼみを発見。
設備を設置する予定だったのが、計画変更で省かれたのかな。

そして、もう一つ気になったのが、側面の四角い切り込み。
径間の左右にあるけど、これって、何かを後から埋め込んだのかな!?
コンクリートの厚み検査にしては大きすぎる気もするし、何か意味があるんだろうけど、とっても気になる・・・。

と言っても、答えが分かるわけでもないので、先へと進んで行く。
不動大橋が見えてきた。

今度は不動大橋を渡って、また対岸へと戻っていく。
眼下には、湖底へと沈む道が見えている。

なんだか雨がぽつぽつと・・・。
雨具を持参していないので、降り出す前には車に戻りたいな。

ちょっと急ぎ足で橋の上を進む。
不動大橋の下には、他にもいくつもの湖底へと続く道が見えた。

どの道がルートになっているのか分からないが、八ッ場ダムには水陸両用バスが運行しているので、これらの道を利用しているのだと思う。
しかも、このバス、自動運転だというが、湖上だけでなく、道路も自動運転しているのか!?
参考記事

不動大橋を渡り、車を停めた場所の近くまで戻ってきた。
付近にある山道をうろうろしていると、木々の向こうに真新しいトンネルの坑口が見えてきた。

以前見たときは、まだ坑門は作られておらず、内部から鉄製の巻き立てが飛び出た状態だった。
このトンネルを近くで見たことは無かったので、ちょっと見に行ってみることに。
隠されているのか、まだ取り付けられていないのかは分からないが、扁額の場所がシートで養生されている。

内部を覗いてみると、天井の設備工事は完了しているようだ。
奥に、反対側坑口の光が見えている。
どこに続いているのかちょっと見に行ってみよう。

しかし、奥へと歩いて行くが、反対側の坑口の光は一向に大きくならない。
その理由はすぐに判明した。
坑口に見えていたのは、側面に置いてあるパイロンの反射材の光だった。
トンネル内の微妙なカーブにより、反射材がちょうどいい感じに坑口から並んで見え、反対側の坑口のように見えていたのだ。

とりあえず、奥へと進んでみる。
側面はまだ工事中なのかな!?

突然、暗闇の中から真っ赤な消火栓が現れてちょっとびっくり。
緩やかなカーブを進んで来ているせいか、曇天のせいか、どちら側の坑口も、全く見えなくなっていた。
周囲は完全に闇に包まれている。

未成トンネルに入るなんて想定していなかったので、今は123A電池を使用する、豆粒みたいな懐中電灯しかもっていない。
狭い坑道ならこの懐中電灯でも十分に使えるのだが、これだけ広い坑道だと、こんなライトじゃ、本当に目の前しか見えない。
しかも、予備の電池も無い。
坑道内には風が抜けており、どこかに抜けているのは確実だと思われるが、未成という事もあり、おとなしく戻ることにした。

入ってきた坑口の近くまで戻ってきた。
坑口付近は、ちょっと広くなっている。

何の数字だろうか。
トンネル径の変わるところに数字が彫り込まれている。
そして、また出た!四角い切り込み。
真新しいこのトンネルにもあるという事は、初期の施工に必要な処理という事か!?

それにしても、最近のトンネルのカッコよさ・・・。
古いトンネルも大好きだが、無機質なコンクリートのトンネルも、またいい。

坑口付近は舗装工事の真っ最中のようだ。
このまま道に戻ると目立ちすぎるので、坑門脇の降りてきた斜面を再びよじ登り、自転車を停めた山中へと戻った。

車に戻り、自転車を積み込む。
そして、今度は湖の西側付近を見に行くことに。
このエリアも広範囲で工事中となっており、道が次々と造られているのだ。

まだ工事中のようだが、大規模な施設が作られていた。
道の駅ではなく、『八ッ場 湖の駅 丸岩』 と看板が掛けられている。
調べてみると、今年の11月にオープンする と書かれている。

建物は既に出来上がっており、今は周囲の工事をしているようだ。

先ほど車で通り抜けてきた、八ッ場バイパスの丸岩橋。
橋脚のデザインがとても素敵である。

もう少し湖面に近づいてみる。
立ち入り禁止と書かれているこの道は、湖上へと続いているようにも見える。
ここから発着する水上バスも運行されるようなので、そのルートになるのかもしれない。

これ以上進むと通報されちゃいそうなんで、この辺りで撤収。
どうなっているのか、あとで、別の角度から見てみよう。

対岸には、吾妻線の旧線敷きのトンネルが見えている。
このトンネルは水位がかなり上がらないと水没はしなさそうだ。
ダム周囲の工事が全て終わり、警戒が解けたころに、トンネル内を見に行ってみたい。

この、湖の駅丸岩から、山肌に沿って、新しい道が伸びていた。
この道は以前は無かったもので、わざわざ道路を作っているという事は、何かがこの奥にあるのだろう。
とりあえず、車に乗り、奥へと進んでみる。

新しい道の下には、旧い橋が残されている。
なるほど、この新しい道路は、下に見えているこの道路の付け替えなのか。

新しく架けられた橋を渡ってすぐが、旧道との合流地点だった。
旧道と合流するあたりから急激に路面が悪くなっていたので、車をUターンさせ、広くなっている場所に車を停める。
ここから先は歩いて見に行こう。

坂道を登っていくと、鉄橋が見えてきた。

吾妻線の現在線の鉄橋のようだ。
その先にも道はあるようだが、急激に荒れているのが見える。
これは、早々に道が無くなりそうだ。

吾妻線の鉄橋は、上部に蓋が付いている、面白い構造だった。
まるで、鉄橋の上にも道があるように見える。

鉄橋をくぐり荒れた路面を進んで行くと、小さな橋が架けられていた。

でもこれ、どう見ても、工事用の仮設橋だよね。

それもそのはず。
その橋の向こうは、工事事務所になっており、道はそこで終わっていた。
どうやらこの道は、鉄橋建設時の工事用道路だったようだ。
工事終了後も事務所は残り、鉄橋のメンテナンスも必要なことから、付け替え道路が作られたのだと思う。
という事は、この道は関係者以外立ち入り禁止になりそうな気も・・・。
旧道、新道共に、GoogleMapにも国土地理院の地形図にも載っていないし。

放置された標識が、とても寂しそうだ。

これ以上進むことは出来ないので、車まで戻る。

今度は、下に見えていた橋を見に行ってみることに。

この橋は、相当水位が上がらない限りは水没することはなさそうだ。
でも、路面の状況を見ると、以前、水没したこともありそうに見えた。

白岩橋と呼ばれるこの橋の由来は、橋の下を流れる沢の名前である、白岩沢から来ているようだ。
まあ、後日分かったことであるが。

橋を渡り進んで行く。
路面には蔦が侵食してきている。

先ほど、良く見ることが出来なかった、湖面に続く道が見える場所までやってきた。
やはり、この道は陸地から湖上へと続いているようだ。
でも、水上バスのルートになるとしたら、自動運転とはいえ安全柵の設置が無いのはおかしいか。

という事で、一日たっぷりと八ッ場ダム周辺を堪能したので、帰りは国道146号から佐久市へ抜け、甲府経由で国道20号から横浜へと帰ることにした。
このルートは、佐久市を過ぎたらほとんど信号で止まることも無く、ずっと運転し続けられる幸せなルートなのだ。

途中、道の駅きよさとで小休止。
時刻は夜7時。
この時期はもう真っ暗だ。

この道の駅は山に囲まれており、すごく良い雰囲気なので、いずれここで車中泊をしてみたい(^^)/
この後は、オール下道で国道20号→国道412号→国道129号→国道1号を経由し、自宅に戻った(^^)/
今回の総走行距離、562Km。
内、高速道路 (第三京浜含む) 106Kmでした。
雪深い時期の八ッ場ダムはまだ見たことが無いので、雪が降ったらまた行ってみようかな。
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