
と言うことで、金曜日の業務終了後、ガソリンを満タンにして横浜を出発。

箱根を超え、国道1号を浜松方面に向けて進んでいく。
深夜 1時ごろ掛川市に到着。
今夜はこの辺りで車中泊することに。

翌朝は、国道 1号から静岡県道40号へと入り、天竜に向かう。

そして、第一の目的地、佐久間ダムに到着。
この周辺にはいろいろな面白そうな遺構が残されているので、一度のんびりと見に来てみようと思っていたのだ。

本格的な探索ではないので、さっさと準備してまずはダム横のトンネルへと入っていく。

このトンネルには内部に何本かの横坑が伸びている。
写真右手が今入ってきた坑口だ。
早速、一つ目の横坑に入ってみる。
トンネルとの接続部分はコンクリートにより巻き立てられている。

奥へと進んでいく。
内部は一度素掘りへと変わり、出口付近がまた、コンクリートにより巻き立てられているようだ。

反対側の坑口はこんな感じだ。
広角レンズで撮影しても、これ以上引くのは厳しい。

と言うのも、山肌にテラス状に飛び出した小さな空間しか無いのだ。

ふとダムの下に目を向けると、なんとあんな所に車が止まっている。
ダムの下流の道は廃道化し、車両の通行は厳しいとか聞いていたのだが、天竜川にかかる原田橋の工事の際に一緒に整備されたのかもしれない。

廃道化して塞がれているものだと思っていたトンネルも、なんと扉のように開いていた!!
ここはいつか行ってみたいと思っているが、廃道ではなく管理用として使用されているようなので、入るのはちょっとあれかな・・・。

この場所からはもうどこにも行けないので今来た坑道から、再びトンネル内へと戻っていく。

トンネル内を進んでいくと、再び横坑が。
左手に見えている坑口が、入ってきた坑口だ。
以前は展望台となっていたのだが、閉鎖されてしまったのか!?

厳重に柵で塞がれているようにも見えるが、簡単に入れそうなので、ここは戻る際に見ることにし、まずはトンネルを抜けてみる。

トンネルを抜けると、ちょっとした広場を備えた空間が。
その先はすぐに別のトンネルへと続いている。

道路脇には数々の注意看板が。

ロックシェッドで延長された先のトンネルをのぞき込むと、佐久間ダム側からは下り勾配となっているようで、坑口の上部が少し見えていた。

ガレの多い広場を進んでみると、奥の方に何やら円形の構造物が見えている。

広場の先は崖となっており、これ以上安全に進むことは出来ないので、ロックシェッドに沿って円形の構造物に近づいてみることに。
ロックシェッド外側の細い空間を進んでいく。
右手は3mほどの谷となっている。
落ちたら嫌だなあ。
でも、何とか、あちら側の平場までたどり着きたい・・・。

ふと見ると、ロックシェッドのコンクリート上にチョークで書かれた文字を発見。
恐らく管理者が何らかの目的で書いたのだろうが、その時にやっと気づいた。

これ、中を歩けば安全じゃん。。。

落ちないように気を付けて歩いていたのが可笑しくなるほど簡単に向こう側の平場に到着。
そこから円形の構造物に近づいてみる。
でも、これ以上の接近は出来なかった。
と言うのも、足場が悪く、足を滑らせたら穴の中に真っ逆さまになりそうだったので、無理はしなかったのだ。
ヘリの部分まで行けそうに見えるが、その前にまだ斜面があるのだ。
でも、ロープを持ってきていればぎりぎりまで行くことは出来そうだが。
ちなみに、円形構造物の正体はダム関係の圧力調整用の施設か何かではないかと思う。

と言うことで、再び元来たトンネルへと戻ることに。

佐久間ダム横のトンネルまで戻ってきた。
コンクリートで作られている坑門の左手には、余程強固な岩だったのか、自然の地形を包み込むようにコンクリートが巻き立てられている。
ちなみにこのトンネルに扁額の類は一切無かったが、佐久間1号トンネルと呼ばれているようだ。

トンネルの中を歩き、先ほどスルーした柵のところまで進む。
この横坑は素掘り状態から始まっているようだ。

先ほど簡単に入れそうだと言ったのは、何のことはない。
この柵には鍵が掛かっていなかったのだ。

早速奥へと進んでいく。
側面には照明が取り付けられているが、点灯はしていない。

素掘り状態だった坑道は、出口付近でコンクリート巻きへと変わった。
展望スペースには、用具入れのような小さな倉庫があった。

展望スペースに出てみると説明看板が残されていた。

また、先ほどの倉庫の上に階段で登れるようになっている。

そこは、まさに佐久間ダムをいい角度で眺めることができる、展望スペースとなっていた。

そして、ダム堤体の右手に目を向けると・・・。

なんと、あんな所に大きな構造物が!!

どうやらこの大きなコンクリートの構造物は、ダムの建設時に資材運搬用として使用されていたもののようだ。
黄色に色づけした部分が遺構の場所となる。

展望台からトンネル内へと再び戻っていく。
床はコンクリートで均されており、きちんと整備されている。

でも、照明が消されているので、懐中電灯を消すと内部は真っ暗だ。
現状は開放していないのかもしれない。
再び、トンネル内部へと戻る。

入ってきたダム方向に進んでいくと・・・。

坑口近くに塞がれている大小二つの遺構が。
位置的には先ほど岩肌に開いていた、大きなコンクリート遺構へとつながっているような気がするのだが、完全に閉塞しているのであくまでも推測でしかない。

そして、この塞がれた遺構のちょうど後ろ側にも、もう一本の横坑がある。

横坑と言っても、この横坑は大型車両の通行も出来るほどの規模だ。

この横坑を抜けなくても、トンネルを出て法面に沿って進めば、すぐに反対側の坑口へとたどり着ける。
それほどショートカットにもなっていないし、何のためのトンネルなのか分からないが、ダム工事中に工事車両の離合を避けるため、利用されていたのかもしれない。

ダム湖の水位は高く、たくさんの水を湛えている。

日本にはたくさんのダムが存在するが、自分の中では断トツで好きなダムがここ佐久間ダムだ。
当時の土木技術を結集させ作られたこのダムは、戦後のダム建設の原点だと思っている。

佐久間ダム建設の記録は、Youtubeなどにもたくさん残されているので、興味のある方は是非とも一度見て頂きたい。
きっと、自分の目で見て見たくなるのではないか。

ここからは、天竜川に沿って、北上していくことにする。
当時は天竜川の左岸側、右岸側共に道路があったのだが、静岡側にある道路は完全に廃道と化している。
ダム工事による付け替え前の鉄道トンネルが残されていることもあり、ガチな人はこの廃道区間を徒歩で抜けていくようだが、自分の技術だと生きて抜けることは難しそうなので、途中までしか進んだことはない。

完全に崩れている個所もあるようだが、最近だと熊に襲われるかも、という恐怖もプラスされている。

と言うことで、比較的安全な、愛知県側の愛知県道1号線を北上して、廃道区間の反対側を見に行くことにした。
佐久間ダム周辺をうろうろしてきた~後編 へと続きます。
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