そのすぐ下の崖に謎の巨大穴が開いているというので早速見に行ってみた。

土曜日の用事を済ませ、早速下田プリンスホテルへと向かう。
先々週も下田周辺の地下壕を探索したのだが、時期を開けずの再訪となった。
きっとホテルに泊まりさえすれば、崖の穴にも簡単に入れるに違いない!

下田プリンスホテルに到着。
デザインがやけにかっこいいな。

ちなみに今回の探索メンバーは、祐実総軍三等兵氏、空母欲奈氏と自分の3名だ。
チェックイン後、早速、ホテルの方に崖の穴について聞き込みを開始するが、崖の穴の存在は知っていても、入り方は知らないという。
謎の穴と言っても、見た目はどう見ても日本軍が構築した銃眼だ。
テレビ番組で紹介されていたときは、穴の上部からロープで降下していたが、そんな危険なことをしなくても本来の入り口がどこかにあるはずだ。
夕食を済ませ、部屋で作戦会議をする。
すっかり酔いも回ってきたが、明日は朝から実地調査だ。

翌朝 6時起床。
天気予報では午後から雨予報となっていたが、それほど雲は無く日が差している。

朝食もそこそこに崖の穴を見に行ってみることに。
崖の中腹に、かなり大きい穴が開いているのが見える。

下から見上げてみる。
きれいに掘り込まれているのが見える。
これは間違いなく銃眼だろう。
下から登って銃眼から砲室内部に入れそうな気もするな。

しかし、実際銃眼付近まで登った祐実総軍三等兵氏によると、銃眼からの進入は難しいとのこと。

そこで岬を回りこんで崖の裏側を見に行こうとしたのだが、潮が満ちておりちょっと危なそうな感じ。

上に登ろうにも、かなりの崖で、こちら側から攻めるのは不可能と判断。
一度ホテルの部屋に戻り、今後の作戦を練る。
調べてみると、もう少しで潮が引き始める時間だということが分かったので、ホテルをチェックアウトした後、裏手から回りこむことにした。

本来の入り口の位置を、銃眼がある崖の裏手の斜面と想定し、入り江の斜面を3人で手分けして探していく。
少しずつ高度を上げながら辺りを探していると、空母氏より壕口発見の一報が!!

早速発見した壕口の内部へと入り込む。
草葉に覆われ秘匿され、下方からはほとんど存在が確認できないが、上半分くらいは埋もれずに残されていた。
場所から判断しても、間違いなく銃眼へと向かう壕口だろう。

坑道には砂が堆積し、高さがあまりない。
腰を屈めて奥へと進んでいく。

坑道の左手に、倉庫のような窪みがあった。
窪みを過ぎ、奥へと進んでいくと坑道は右手へと折れている。

右手に折れると、更に奥へと坑道は続いている。

左手にはまた、部屋状の窪みが設けられている。

そのまま奥へと進んでいくと、前方に光が見えてきた。
どうやらあそこが砲室らしい。

方室へ向かう途中、今度は右手に部屋状の掘り込みがあった。
その掘り込みを過ぎ、砲室のすぐ前まで来た。
銃眼が大きいせいか、ふんだんに光が注ぎ込まれている。

砲室へと入り込む。
きれいに掘り込まれた砲室は大きな崩落やゴミもなくかなり良い状態だ。

銃眼部分の厚みは、1mを優に超えている。
今まで自分が見てきた銃眼の中でもこれだけ巨大なものは無い。

銃眼の先は白浜海岸へと向いている。
大戦中の米軍の上陸に備えていたのだろう。

以前よりこの壕へのアタックを模索してきた空母氏が感慨に耽っている。

ちなみに、銃眼から自撮り棒を伸ばして撮影したのがこの写真。
下から見上げていたときはなんとか入り込めそうに見えた銃眼だが、こうやって見てみると、全く不可能と言うことが分かる。
うん、無理しなくてよかった。

今度は壕内を調べてみる。
砲室には、明かり置きだろうか、小さな掘り込みがある。

そして、砲室入り口の壁面には謎の掘り込みが。

戦後のいたずらだとは思うが、壁面の岩盤を削って丁寧に掘り込まれている。
道具なしで簡単に掘れる地質では無さそうなので、もしかしたら掘削当時の物!?
とも思ったが、まさかね。

それほど規模の大きい壕でもないのだが、1時間近く内部を探索した。
名残惜しいが、そろそろ撤収することに。

砲室を出て、入ってきた壕口方向へと進み始める。

ちなみに坑道の横に拡張され構築されている倉庫のような部屋だが、大きさは異なるが 3つとも同じような作りだった。

壕口から外に這い出てきた。

その後、入江周辺の崖を調べたが、他にめぼしいものは見つけられなかった。

と言うことで、プリンスホテルに泊まらないと行くことが出来ないと思われていたこの壕だが、山越えをすればたどり着くことが出来ることが分かったので、是非ともまた再訪してみたいと思っている。
ちなみに今回のこの壕だが、江ノ島近くにある小動岬の銃眼と似ていた。
銃眼の形はこちらのほうが数段上だが、坑道や砲室の規模的には同程度だと思う。
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