
駐車場に車を停め、yakumo氏、喜三郎氏と共に藪に突入する。
緑地の周囲は住宅街に囲まれているが、ここだけが別世界のようだ。

藪を抜け、壕内へと進入する。
壕口付近から盛大に水没している。
深さは股下ほどもあり、ウェーダーは必須だ。

真っ暗な坑道を奥へと進んでいく。
水深は若干低下してきた。
歩を進めるたびに、澄んでいた水が濁る。

この壕の使用目的は何なのだろう。
まっすぐな坑道がしばらく続く。

壕口から水没を進んでくると、左手に分岐が。
こちらの坑道は、断面積が、一気に広がっている。
まずは、この分岐を折れ、左手へと進んでみる事に。

その先は90度右手に折れているようだ。
この辺りで水没はほとんど解消されている。

地質は粘土質のようで、ものすごく安定しているように見える。
掘り跡が壁面にしっかりと残っている。

角部分にも排水が掘られている。
この壕は、かなり丁寧に掘られている印象だ。

行政による調査が行われたのだろう。
所々に、プレートや杭が残されていた。

角を曲がり進んでいくと、前方に、館山の128高地で見たような凹みが。
でも、これって、二段掘りの掘りかけなのかもしれない。

その二段掘りのような接続点を折れ、進んでいくと、そこはまた水没していた。
そして、その水没の中には、レールが沈んでいる。

枕木からは取り外されているが、このようにレールが残されているのはとても珍しいのではないか。
水中には、枕木のほか、犬釘までもが残されていた。

ところで、先ほどの二段掘りに見えるこの地点だが、掘りかけにしては、あまりにきれいに処理されている。
掘り進むのをやめたのか、この形を何かに利用しようとしていたのかは分からない。

位置関係はこんな感じ。

同位置より後ろを振り返ると、しばらく行って行き止まりだ。

その後も、壕内をくまなく回っていく。
構造自体はそれほど複雑ではないが、丁寧に掘ってあるのでテンションが上がる。

電球のソケットのベースのようなものが残されていた。
電気も引かれていたのだろうか!?

進入した壕口よりまっすぐに続く坑道。
遥か向こうに外の光が見えている。

その場所から後ろを振り向く。
壕口から続くこの坑道だけが、径が狭い。

少し進むと、左手にまた、大きな坑道が。

しかしこの坑道も行き止まりだ。

これだけの規模の地下壕なのに、未だ、進入した壕口以外の壕口が無い。
この大量の土砂を、その一か所から排出したというのか!?

壕口から続くこの坑道の最深部も、外につながることもなく掘りかけで終わっていた。

その坑道の途中に突き刺さっていた楔状の鉄片。
掘削した際の道具なのかもしれない。

この規模の地下壕で壕口が1つしかないのはおかしい。
どこかに見落としがないか、再度、壕内を回ってみる。

しかし、壕口を埋めた跡は見つからない。

一通りすべての坑道を調べてみたが、やはり外部との接続部は1か所だった。

と言うことで、進入した壕口から脱出することに。

この規模の壕があると言うことは、他にもまだいろいろと残っていそうだ。
壕を出て、周囲を回ってみる。

昨日の雨に打たれてびしょびしょになった藪をかき分けていくと・・・。

塞がれた壕口が。
こちらの壕口はしっかりと塞がれているので、簡単に入ることは出来なそうだ。
上部の隙間から入ることは可能そうだが、出られなくなりそうなので、この壕は次回へと持ち越した。

隙間にカメラを突っ込んで撮影してみると、この壕も丁寧に掘削されていそうだ。
いろいろ準備をして、ここはまた潜りに来ようと思う。 ← 探索待ち
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