
国道8号線を快適に進み、駐車場へと車を停める。
親不知レンガトンネルは、以前は放置されているままの状態だったようだが、近年になって整備され、一般に開放されているようだ。
料金も無料で誰でも見学可能だと言う。

トンネルに向かう国道8号の旧道は、遊歩道としてきれいに整備されている。
高低差もほとんどなく歩きやすい。

旧道を進んで行くと、法面に何やら文字が書かれている。

「 矢如砥如 = 砥の如く、矢の如し 」
この道が出来る以前は、海沿いを命がけで往来していたと言うから、崖沿いにこの道を切り開いた事は当時としては画期的な事だったのだろう。

ちなみに現道はトンネルにより、法面の中を抜けている。
そして、これだけ交通網が発達した現代でさえ、北アルプスを挟んで東日本と西日本を往来できる車道はこの国道8号以外には、100Km以上南下した松本市から続く国道158号以外には存在しないのだ。

しばらく進んで行くと、親不知レンガトンネルの案内看板が現れた。
今回、全く何も調べずにここまで来たのだが、どうやらこの親不知のレンガトンネルは、国道8号旧道のトンネルでは無くて、旧北陸本線の鉄道トンネルと言うことだ。

この階段を下っていくと旧トンネルがあるようだ。

どんどんと階段を下っていく。
トンネルはまだかな( *´艸`)

鉄製の階段を下りきり、こんどは遊歩道のような斜面をどんどんと下る。
正直こんなに下るとは思っていなかったのでちょっとびっくり。
しかも気温が上がってきて汗が噴き出してくる。

眼下に海が見えてきた。
随分下まで下ってきたようだ。
左手の法面は石組みでしっかりと固められている。
当時の物だろうか。
遺構は近そうだ。

やがて草木の間にトンネルの坑門が見えてきた。

今は階段が設置されここまで簡単に来ることが出来るが、一般公開前はここにたどり着くのも大変だったんだろうな。
と言うことで、早速トンネルの中に入っていく。

トンネルの中には照明が設置されており、入り口付近には貸し出し用の懐中電灯も置かれていた。
吹き出していた汗も、トンネル内の空気に触れ、あっという間に引いていく。
延長は670mと言うことだが、反対側の坑口は全く見えない。

持参した地下壕探索に使用している懐中電灯で奥を照らしてみる。
内部には当時の機関車の煤煙がびっしりとこびり付いている。

とりあえず反対側の坑口まで行ってみようと、奥へと進んで行く。
待避所があるが、随分と浅い。

退避所によっては非常用電話機が設置されていた。

ひんやりとした坑内を淡々と歩いていく。
管理されているトンネルなので、特にこれと言ったイベントは発生しない。

しばらく進むと、今度は少し深めの待避所が現れた。
現役時は資材などを置いていたのかもしれない。

その先の壁には、1956-1 の文字が。
意味するのは、1956年の1月ということ!?
補修の記録だろうか。

もう、半分くらいは歩いてきている気もするが、反対側の坑口は全く見えない。

照明の設置個所には、このように、距離が表示されていた。

おお、当時の鉄道遺構が!!
『2』 と書いてあるけど、どういう意味なんだろう。
坑口からの距離がちょうど200m程度っぽいから、トンネル出口までの距離を示しているのかも知れない。 ← 適当

やっと、反対側の坑口が見えてきた。

涼しい坑内から、蒸し暑い外へと出てきた。
こちら側の坑口も、煉瓦でなかなかだ。
そして、この坑口のすぐ向かいには・・・。

なんと、もう一つの坑口があるではないか!!
坑口手前には谷があり、谷にはパイプのようなものが通っている。
一見、パイプを伝って向こう側に渡れそうにも見えるが、実際には難しそうだ。

下の方を見に行ってみたが、簡単には入れなさそうだ。
でも、ロープを用意すれば行けるかな。

と言うことで、ここは草木が冬枯れしたころに再び来てみる事に。
この暑さの中を上り下りするだけで、結構体力を消耗するし、今日は休日なのでちらほら別の観光客もいて目立ってしまうからだ。

何度も通っている、崖沿いのロックシェッドを進んでいくと・・・。

いつの間にかに道路が新しくなっていた。
そういえば、以前からなにやら大規模な工事をやっていたな。

横浜への帰り道は、国道148号を南下することにした。
この道路も線形改良が進み、以前に比べて走りやすくなっているが、更なる快適化を求めて、また、新しいトンネルが掘られていた。

冬の間は真っ白な雪に埋もれている白馬の山々も、この季節は青々としている。

松本を抜け、このまま国道20号で帰ろうと思っていたのだが、まだ時間がちょっと早いので、国道52号を南下し、静岡方面に下ることに。

国道300号を富士五湖方面に進み、気持ちよくワインディングを進んでいく。
そして、道の駅しもべというのがあったので寄ってみる。

すると、ラッキードリンクショップなるものが。
これは、山梨県近辺で無数に見かけるハッピードリンクショップのパクリなのか!?

道の駅を出て、再び国道300号を進んでいくと、この道路も大規模な改良工事の真っ最中のようだ。

道路脇には真新しいトンネルが。

そして、その向かいにもトンネルが。

と言うことは、このトンネルの間にある現道は廃道化待ったなしと言う事か・・・。

そこそこの道幅のある道路なので、廃道化後の訪問も、楽しみだ。

しかし、この激しい線形。
高低差もかなりあるし、どこにトンネルを通すのだろう。

と、思いながら進んでいくと、ヘアピンカーブの所にまた坑口が。
帰宅後に分かったことだが、この坑口は、先ほどの一枚目の坑口写真のトンネルの反対側なのだが、なんと、トンネル内部でぐるっとUターンし、この位置に開口しているようだ。
山梨県のホームページに、改良工事の資料があったので、興味のある方は是非。

高低差が激しく、パワーの無いハイエースでは登っていくのも苦しいが、道路自体は見どころたっぷりだ。
この部分は事業化区間外なので廃道化はなさそうだ。

油温計の針は100℃を越え、もう、ワーニングランプが点きそうな状況だ。
展望台に車を停め、しばしの休憩。
夕刻迫る山々の稜線が美しすぎる・・・。

その後、富士山の裾野を御殿場方面へと向かい、国道246号で横浜まで帰宅。
弾丸の遠征だったが、たっぷり運転出来て楽しかった!
親不知の廃トンネルに、国道148号の新トンネル、そして、国道300号のトンネルと、また様子を見に行かなくちゃ!!
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