
貴三郎氏の案内の下、管理棟の裏山の裏手に回りこみ斜面を登っていく。
やがて壕口が見えてきた。

埋まりかけている壕口の隙間から体を滑り込ませる。
この日はとにかく暑かったのだが、壕内はひんやりとして気持ちが良い。

内部は先ほどの壕と同様に、馬蹄形の断面で掘り進められている。
壕口から入ってすぐ、左への分岐があったのだが、まずはまっすぐ進んでみた。

すると、突き当りは左右共に掘りかけなのか閉塞していた。

分岐まで戻り、坑道を進んで行く。

かなり丁寧に掘られている印象だ。

いつの時代の物だろう、猫車が朽ち果てていた。

別の壕口が近いのだろう。
ゴミが散乱している。

何度か90度向きを変えつつ進む。
旧軍の陣地らしい掘り方だ。

外部の明かりが差し込んでいるのが見えてきた。

開口場所は管理棟の裏手あたりか。
コンクリートブロックで土留めがされ、外部からの土砂が堆積してしまっているが、ここは壕口では無くて銃眼なのではないかと、同行した yakumo氏の推理。
なるほど、柵の向こうをのぞき込んでみると、砲室っぽく内部が拡張されている。

主坑道まで戻り、今来た坑道とは別の坑道を進んで行く。

それほど複雑な作りでは無いが、分岐もありなかなか楽しめる壕だ。

坑道の脇に部屋状の空間を発見。
奥の壁には何やら掘り込みが作られている。

こちら側の壁にも掘り込みが。
その上に・・・。
!?

掘り込みの上部には 『死』 の文字が。
後世のいたずら書きだよね??

しかし、ここまで立派な棲息室は珍しい。
千葉県内の地下壕では何度か目にしたこともあるが、神奈川県では初めて見た。

部屋の最奥部より、入り口方向を見る。
うん、これはすごい。
次に潜った時は、360度カメラを持参して全周撮影しよう。

棲息室を出て、坑道をしばらく進んだ先は、駐車場の裏手あたりに開口しているようだ。
無理すれば出られそうだが、結構な狭さだ。
土砂が流入しており確認は出来ないが、方向的には道路方向を向いているので、ここも銃眼なのかも知れない。

と言うことで、この壕は規模は小さいものの、見ごたえのある壕だった。

夫婦池公園の巨大陣地壕 に続きます。
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