途中、高速道路が一般道化した草木トンネルあたりの様子も確認してみようかなと。

国道20号から国道152号へと入り、南下を始める。
この道は何度も通ったことがあるが、南から山梨方面への北上ばかりで、こちらからの進入は初めてだ。

対向車が来たらどちらかが離合可能なスペースまで下がらなければならないような道を走り、大鹿村まで来た。
すると、地蔵峠通行止めの看板が。
どうやら災害復旧工事のため、浜松市方面へは行くことが出来ないようだ。

しかたない。
かなりの大回りとなるが、地蔵峠が通れないのなら、松川村まで出て、喬木村経由で矢筈トンネルを通り国道152号へと戻ろう。

迂回の為に松川村へと向かっていると、小渋ダムの手前に真新しいトンネルが。
これだけ新しいトンネルなら、旧道がきれいな状態で残っているはずだ。
ちょっと車を停めて確認しに行ってみる。

新しいトンネルは東山トンネルと言うようだ。

旧道だと思われる方向に進んでみる。

するとすぐに旧トンネルが。
旧トンネルの右手には、旧トンネルが出来る前の旧旧道らしき道があったので、まずはそちらを見に行ってみる。

十分に車両を通せる幅の道を進んでいく。

すると、旧旧道らしき線形の先には東屋が建っていた。
ちょっとした駐車スペースもあり、以前は休憩所のようになっていたのかもしれない。

東屋の奥には旧旧道らしき道が続いていたが、車幅はぎりぎり1車線程度しか無くなってしまった。
これはどういう事だろう。

そしてその先は、崩落してしまったのか、道自体が失われていた。

旧旧道はこれ以上進めなくなったので、今度は旧道のトンネルを進んでみる。

トンネル自体は廃道となって間もないのか、痛みも無さそうだ。
天井には照明器具も残されており、まるで現役のトンネルのようだ。
カーブの先には明かりが見えており、貫通していることも約束されている。

薄暗いトンネルを進んでいく。

やがて、トンネルの先の路盤が見え始めた。
やはり廃道化して間もないのだろう。
道路は全く荒れていない。

トンネルを出て、トンネル方面を見てみる。
左手には旧旧道が。

広さを見る限り、立派な車道だったようにも見える。
とりあえず、奥を見に行ってみる。

するとすぐに大きな切通しが。
この規模は、完全に対向車線がある自動車道だろう。

しかし、切通しの先を少し行くと、大きな崩落があり、そのしばらく先で道は消えていた。
この道の脇は切り立った崖となっており、崖の下には小渋ダムのダム湖がある。
落ちたら助からなそうな場所なので、無理して進まずに旧道へと戻る。

旧道を歩いていくが、特に何があるわけでも無さそうだ。
道もきれいで探索と言うより、ハイキングだ。

落石防止ネットの隙間から多少の落石が飛び出しているが、まだまだ車両の通行も十分可能だろう。

道の途中にはいくつかの橋も架けられていた。
その一つ、田島沢橋。

橋の脇には見事な滝が落ちている。
写真じゃ全く伝わらないが、ものすごいスケール感だ。

適当な所で折り返して戻るつもりが、かれこれ 1Km以上歩いてきてしまった。
そろそろ旧道区間も終わりだろう。
ここまで来たのだから新トンネルの反対側も見てから戻ろう。

そう思いながら進んでいくと・・・。
ん??
なんだあれ。

山の斜面に何やら塞がれた坑口が出現!!
これは予想外だ。

携帯の電波が来ていたのでその場で調べてみると、どうやら新トンネル建設時の作業用通路のようだ。
ちなみに、赤い矢印が塞がれた坑口。
黄色のラインが新トンネル(現道)だ。
工事の際、ここの入り江は埋められていたのか、航空写真では、橋では無く陸路で坑口まで道が続いているようにも見える。

旧道を歩いて戻るつもりだったが、この工事用の坑道の痕跡が、新トンネルの内部にあるのかが気になる。

すぐ先は新トンネルの坑口なので、帰りは新トンネル内を歩いて帰ろうかな。

少し歩くと、すぐに新トンネルの坑口脇に到着した。
坑口脇はコンクリートでしっかりと固められている。

新トンネルをのぞき込むと、一段上がった歩道が設けられている。
ちょっと幅は狭いけど、これなら安全に抜けられるかな。

工事用の坑道が接続されていた痕跡を探しながら進むが、内部からは全く分からず。
山肌の坑口も全閉塞だったし、空間が残されているとしたら、完全に外部と遮断されているという事か。

途中、非常電話が。
まじまじと見たことは無かったが、このようになっているのか・・・。

やっと半分。

見るべきものは無く、ただただ無機質なコンクリート内を歩いていく。

やがて出口が見えてきた。

高規格な幅員を持つトンネルと比べ、その先の橋の幅は旧来の道路幅のようだ。
トンネル内に大型車すれ違い困難の看板が立っていたのはこれのことか。

坑門にあった銘板。
竣工は2019年3月とかなり新しいトンネルだ。

車のところまで戻って来たので、先へと進んでいくことに。

国道153号から県道252号線を経由、県道251号線へと入り、矢筈トンネルへと向かう。

やがて、細いくねくね道が一変。
突然、山奥の頭上に超高規格道路が出現した。

将来的には高速道路として供用される予定の矢筈トンネルが、現在無料区間として開放されているのだ。

ループ橋を走り高度を上げ、先ほど見上げていた橋梁上へとやってきた。
矢筈トンネルはすぐ先だ。

このトンネルの中の転回所の奥に、なにやら怪しい空間が見え隠れしていたのだが、後続車がいたためゆっくりと見ることが出来なかった。
でも、まだ高速道路じゃないから、止まっても大丈夫だったのかも!?

その後も南下を続けると、なにやらまた看板が並んでいる。

近づいてみると、なんと今度は兵越峠が通行止めだという。
国道152号の未開通区間である青崩峠は、県道に迂回し、兵越峠を越えないと先には進めないのだ。
ここまで走ってきたのに静岡県に抜けられないと横浜に戻るのも大変だ。
仕方ないので、愛知県内を迂回して静岡県へと入ることにした。

国道152号から国道418号へと折れ、天竜村を目指す。
気持ちよく走っていると、眼下に物凄くかっこいい橋が見えたので、慌てて車を停める。

国道418号の旧道の橋なのだろう。
隣接する新橋を建設する際に盛り土されたのか、現道から橋までは階段で下らなくてはならない。

真ん中あたりまで歩いて、振り替える。
アーチの感じがたまらない。

コンクリートのアーチの向こうには新橋が見えている。

橋を渡り切ると、草生した空間が。
この橋を渡るものはほとんどいないのだろう。

こちら側は現道を高さが同じなので、車両止めのガードレールが置かれていた。

奥まで見て回ったので、再び橋を渡り車へと戻ることに。
光を浴びたコンクリートアーチが本当に美しい。

歴史的価値があって保存しているのか分からないが、わざわざ階段を作って渡れるようにしてあるのだから、管理されているのは間違いないだろう。

舗装された路盤には、うっすらとダブルトラックの跡が。
バリケードを動かせば橋上に車両で立ち入ることは可能だが、片側が階段のため、車両にとってこの橋は全く役に立たない。

新橋を見に行ってみたところ、『月の島橋』 と書かれている。
という事は、先ほどの旧橋は、旧月の島橋と呼べばいいのかな。
旧、月の島橋動画。

通行止めによる回り道続きですっかり遅くなってしまったが、天竜村から愛知県道1号線へと入り、静岡県を目指す。
今年の初めに散策に行った佐久間ダムから静岡県に入ることにしたのだ。
以前、崩落で通行止めだった箇所に橋がかけられて、通行できるようになっていた。

山側の旧道路上は完全に埋没している。

狭くくねくねした愛知県道1号線を走り、大嵐駅までやってきた。
この時点で時刻は17時に。
もう、探索は無理かな・・・。

今日中に横浜に戻らなくてはいけないので、小休止だけしてさらに南下することに。
ちなみに大嵐駅構内には、今まではなかったスタンプが置かれていた。

この辺りの探索に来る場合はたいていは静岡側からアクセスしてくるので、夕刻の佐久間ダムを見たのは久しぶりだ。

佐久間ダムは自分の中では最も好きなダムの一つなのだが、だんだんと暗くなって行く様子も最高だ。

という事で、ちょっと寄り道はしたものの、ただのドライブみたいになってしまった。

帰りは、国道1号バイパスで、一気に神奈川県まで。
最近は高速道路でも 80Kmくらいしか出さないので、1号バイパスでも時間的にはあまり変わらないのだ。

1号線バイパスの信号がある区間も、どんどん高架化が進んでいるので、今後はもっと利便性が上がると思うので楽しみだ。
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