
以前の訪問時はまだ住人がいた団地だが、現在は老朽化のため解体を待っている状態だ。

団地の奥へと進んでいくと、コンクリートで作られた大きな遺構が現れる。

ここでは戦時中に砲弾の着弾試験を行っていたという。
早速内部へと入ってみる。

内部の壁面には砲弾に破壊されたのだろうか、えぐり取られた跡が大量に残っている。

内部はかなりの広さだ。
鉄筋が入っていなければ、この形を維持できていなかったかもしれない。

遺構に近い団地の建物は、草木に浸食され始めていた。

かもめ団地を出て、法面に沿って周辺を調べていく。
フリーフレーム工法の下段フレームに不自然な隙間がある。
あの場所には壕口があったのだろう。

という事は・・・。
法面を回りこんで調べていくと、何やら壕口のようなものが。

柵を乗り越え近づいてみると、やはり壕口があった。

狭い隙間から内部へと体を滑り込ませる。

内部の崩落は進んでいるようだが、奥に進めそうだ。

崩落は進んでいるものの、結構な広さがある壕のようだ。

奥に進んでいくと、十分に立って歩けるようになった。

当時はたくさんの壕口が開いていたのだろう。
塞がれた壕口が見受けられる。

壕の作りからすると、倉庫系の壕なのかな!?
部屋がたくさんある、掘り込みの非常に多い壕だ。

壕床には昭和のころのゴミが散らばっている。

進入した壕口付近は荒れていたが、奥へ進んでいくと随分ときれいに掘削されている。

岩盤もしっかりしているらしく、この辺りは崩落も無い。

なんだか、倉庫系の壕と言うより、工場系の壕のような雰囲気になってきた。

細い枝坑を進んでいくと・・・。

壕床に流されたコンクリートがカチカチに固まっている。
埋め戻しの際に流されたものだと思うが、かなりしっかりとしたコンクリートだ。

そしてその先にも埋め戻された壕口が。
ここからコンクリートを流したのかな!?

これ以上進めないので、今来た坑道を戻る。

まるで水没のような表面だが、これがカチカチのコンクリートなのだ。

枝坑を順番に調べていく。
こちらもコンクリートが流されているようだ。

そして、ここにも塞がれた壕口が。

高低差がそれほどあるわけではないが、位置のずれた坑道も見受けられた。

先ほどまでの広い坑道とは違い、随分と狭い坑道だ。

妙に曲がりくねっていたりして、良く分からない。

ここにも当時は壕口が開いていたようだ。

海が近いせいか、壕口付近にはガラス製の浮きが転がっていた。

一通り内部を見て回ったので、そろそろ脱出することに。

時間が余ったので、先日潜った壕にも寄ってみる事に。

と言っても、先日来たばかりなので、特に変わりは無さそうだ。

しかし、奥へ進んでいくと・・・。

なんと、先日は無かったろうそくが置かれているではないか!!!
これは、ここから先はろうそくで探索しろと言うメッセージなのだろう。

完全な闇となる壕内においては、ろうそく1本でも十分に歩を進めることが出来る。
しかも、雰囲気抜群だ。
これは楽しい。笑

誰かが潜りに来た痕跡はそこかしこに残されていた。

砲室の床面を調べようとしたのだろう。
床の土砂を掘り内部を調べた痕跡も見受けられた。

その後は壕内をプラプラと散策。

十分に立って歩ける壕なので、回るのもラクチンだ。

広さもあり、とても楽しめる壕なのだが、場所によっては崩落も多く、一般開放は期待できなさそうだ。

今回は浦賀周辺を回ってみたが、この周辺にはまだいくつもの未知なる壕が眠っているという。

ということで、これからの季節、草枯れして探索しやすくなってくるので、浦賀周辺の探索も続けていきたいと思っている。
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