
海辺でバーベキューを楽しんでいるファミリーを尻目に、チャリを押しながら軍道を上がって行く。
8月も間近に迫っており、あっという間に汗が噴き出してくる。
つづら折りを何度も折り返すと、北門第二砲台のトンネルが見えてきた。

前回にも増して、草木が凄い勢いで伸びまくっている。
早速、トンネル脇の砲台跡に登ってみる。

掩蔽部入り口は鉄柵により塞がれていた。
風やら何やらで動かないようにか、大きな石まで乗せてある(*´ω`*)

砲座部分も、だいぶ草木に侵食されていた。
このままだと全体が草に埋もれてしまいそうだ。

ちなみに前回の訪問時には、通路を挟んで砲座の向こう側のこの階段を上っていったのだが、あまりの激薮に撃沈したのだ。
この階段は観測所に向かう階段なのであろうが、ここからのアクセスは困難そうだ。

通路沿いには、防衛施設庁と運輸省の石柱が仲良く並んで建っていた。
どちらも現在は存在しないので、これも遺構かな!?

階段を上らずに、すぐ横の遊歩道を上っていく。
すると、写真では分かりにくいのだが、明らかな踏み跡を発見!
踏み跡は、斜面の上へと続いていた。
きっとこの先に観測所があるんだな…。

草木をかき分けて斜面を登っていくと、木々の隙間に掘り割りのような窪みを発見。
これは来たのか?来たのか?

そのまま進んで行くと、両側に石垣のような物が現れた。
もう間違いない!

石垣の高さがだんだんと高くなってきた。
そして、緩い右カーブを抜けると…。

なんかキター!!!

階段には手すりまで残っている。
こんなの初めて見たよ(*´д`*)
上は観測所で、下に掩蔽部があるようだ。
まずは上に登ってみる。

上に登ってみると、まるで密林の中の遺跡のように、観測所がきれいに残っていた。
木々の隙間からは海が望める。
余程のマニアでないと、こんなところまで登ってこないせいか、荒らされた形跡はなく保存状態は最高である。

測遠機の台座手前には、伝声管が取り付けられていたと思われる穴が開いていた。
懐中電灯で照らしてみるとかなり深いところまで続いているようだ。

深さを測ってみると、5m以上あるようだ。
その先曲がっているのかは分からないが、おそらくこの下のトンネル脇に掘られた掩蔽部に続いていると思われる。
前回トンネル横の掩蔽部に潜ったとき、部屋の奥の穴の中に、パイプのような物があったが、もしかしてそのパイプとつながっているのか?
今は確かめる術はないが、何人かで来た時にでも検証しよう。

続いて、下にある掩蔽部へと行ってみる。

かなりの深さの掘り割りの側面に構築されている為か、日中だというのに懐中電灯無しでは真っ暗だ。
掩蔽部は 4m× 4m の正方形であり、内部は崩落もなく非常にきれいだ。

鉄製だったであろう扉は、戦後、金属泥棒により持ち去られたのか、入り口側面には破壊の跡が見られる。

掩蔽部入り口から上方を望むと、なんだかすごい掘り割り。
つーか、掘り割りの行き止まり。

後ろをふり返ると、すぐに階段がある。
この掩蔽部は観測所の兵員室だったのではないか?

もう金属泥棒は来ないだろうが、この手すり、良く今まで残っていたと思う。
大抵の観測所の手すりは金属泥棒に盗られていて、レンガに手すりを据え付けていた穴が開いているだけだ。
これはかなり貴重じゃないのかな?

保存の良さに感激しつつ、今来た掘り割りを戻っていく。

行きは、綿菓子が作れるほどたくさんあった蜘蛛の巣も、帰り道は心配なし( ^ω^)

あとは薮をくぐり抜け…

斜面を下れば生還!
って、全然危なくもなんともなかったけど…。
次回、 観音崎北門第一砲台 へと続きます。
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