被災地域への訪問は、21年8月に通り抜けてきた以来だ。

ニュースなどではほとんど扱われなくなってしまったが、被災地域周辺はまだまだ立ち入りできない場所がたくさんある。
今回、以前より行ってみたかった夜ノ森付近に立ち入れるようになったというので見に来たのだ。

以前は道路脇に柵が設けられていたこの辺りの風景も一変している。
営業はまだされていないが、道路脇の建物の駐車場にも入れるようになっている。

10年以上放置状態だったこの店舗も、いずれは営業を再開するのだろうか。

前面のガラスが割れ建物全体が痛み、大変な状態になっていたトヨタのディーラーも、ついに解体工事が始まっている。

道路脇の柵が撤去されただけで、随分と復興が進んでいるような印象を受ける。

以前はたくさんの家屋が並んでいた国道6号の大熊町付近。
一部の住宅は、取り壊されて空き地になっているようだ。

放射線量は、以前よりはだいぶ低くはなっているが、まだまだ高い数値を示している。

まだこの辺りが帰還困難区域だった頃から工事をしていた新橋が完成していたので渡ってみようと横道を逸れてみたが、残念ながら新橋へと向かう道はまだ閉鎖されていた。

以前は入ることが出来なかった横道に入れるようになったので、住宅街を進んでいく。
しかし、場所によっては未だに入れない場所も多いようだ。

住宅街にファミリーマートが残されていたので寄ってみる。
どうやら営業はしていないようだ。

開け放たれた自動ドアから内部をのぞき込んでみると、店内は東日本大震災の日のまま、朽ち果てているようだ。

内部は獣に荒らされたのか乱雑な状態だったが、帰還困難区域内に立地していたせいか、ガラスが割られることも無く建物自体はきれいな状態を保っていた。

街に人が戻れば、このコンビニも復活するのだろう。

住宅街を回ってみると、損壊した住宅の撤去が進んでいるようだった。

写真を撮りながら、街中をゆっくりと見て回る。

街の中心部に真新しい大きい駅があったのでロータリーに車を停める。

駅舎を見に行くと、大野駅と言う駅のようだ。
しかし、周りには自分以外誰もいない。

線路を見ると、駅に停車していた列車が、静かに出ていくところだった。

大熊町図書館。
駅のすぐ近くにあったこの建物の時計は、地震発生の時間で止まっていた。

以前、「地震なんかで時計が止まっちゃうの!?」 といった書き込みをどこかで見たが、大型の建物に設置されているような時計は、マスターとスレーブに分かれており一か所で集中管理をしているので、通電が止まると簡単に停止してしまうのだ。

駅を離れ住宅街の方へ進んでいく。
町内の見回りをしているらしきTEPCOの軽バンが時折り通りすぎるくらいで、他に人を見かけない。

地盤沈下によるものだろうか。
集合住宅の自転車置き場が大きく傾いている。

駅から離れると、被災当時のままの建物も増えてくる。

しかし、建物の周りはきれいに保たれているので定期的に手は入っているのだろう。

町内を回ってみたが、これ以上奥へ行くことは出来ないようだ。

帰還困難区域の看板は置かれていなかったが、道が封鎖されている。
一通りこのエリアを回ったので、隣の駅である、夜ノ森駅へ行ってみる事に。

夜ノ森駅に向かっていると、妙に放射線量が高いエリアが。

付近にモニタリングポストを見つけたので、数値を比べてみる事に。

モニタリングポストの数値も、ほぼ一緒だった。
帰還困難区域の解除と言っても、この数値を見ると長期で滞在するのはちょっと嫌だなあ・・・。

夜ノ森駅へと向かっていくが、相変わらず街中に人の姿は無い。

たくさんの建物があるのに、日中に人が全くいないという状況がちょっと怖い。

ヤマザキデイリーストアがあったので、駐車場に車を停める。

この店舗は入口のガラスが割られていた。

カーテンの隙間から中をのぞき込んでみると、ここも被災した時のまま放置されていたようだ。

車をここに置き、駅の周辺を回ってみる事に。

駅に近いこの場所だが、やはり人の気配は無い。

夜ノ森駅にやってきた。

線路沿いに設けられた遊歩道はまだ閉鎖されたままのようだ。

駅前にある広いロータリーもがらんとしている。
向こうに商店が見えるので行ってみる。

もちろん営業はしていない。
庇に書かれたテレホンカードやDPEの文字がなんだか懐かしい。
と言っても、震災時点で既にどちらも利用機会は減っていたはずだ。

そしてその隣にはゲームセンターが。
理想郷という名前がいい味を出している。

続いて、以前から何度も訪問している双葉町辺りを見に行くことに。
街中にあった消防署の建物が今でも残っているのか気になったのだ。

道すがらに見たアパートの前には、放置された乗用車がポツンと残されていた。

国道6号を走り、双葉町方面へ。
以前、柵によって塞がれていたこのスタンドも、中に立ち入れるようになったようだ。

双葉町へとやってきた。
錆びついた信号機には灯りが灯っている。

消防分署は依然と同じ姿でそこにあった。

しかし、外壁には何やらペイントが施されている。
奥に見える建物にもペイントが。

どうやら地域再生化の為に、残された建物にペイントをしているようだ。

街中では他にもいろいろな作品を見ることが出来た。

時間も押してきたので、最後に帰還困難区域との境目まで行ってみる事に。

この付近は2022年現在でも、手つかずのまま家屋が放置されていた。

数年前に見に来たときはもう少し原型を留めていたと思ったが、今年は例年に無い大雪のため重さに耐えられなかったのかもしれない。

いずれはこの先のエリアも帰還困難区域の対象外となるのだろう。

その際はまた状況を見に来てみようと思っている。
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