
色々な遺構を見て回った後、他に何か無いかネットで検索していると、付近に大きな火薬庫があることが分かったので、早速行ってみることにした。
その記事は書かれた時期が古いせいか、道なりに行けば辿り着けそうな記述となっていたのだが、現状は門扉によってその道筋は塞がれていた。

どうやら柵内は鉱山施設となっているようだ。

現役の施設の中に柵越えして入るのは憚られたので、とりあえずは山を登ってしまうことに。
当時の地図で位置関係を見ると、この柵の向こう側と言うよりは、山の中腹に火薬庫があったようなのだ。
柵の左手の斜面をどんどんと登って行く。

それ程の急斜面ではないし、掴まる木々も多かったため、難なく登ることが出来る。

しばらく登って行くと、眼下に火薬庫らしきものが!!
と言うより、火薬庫を通り越してもっと上まで登ってしまっていたようだ。
このまま火薬庫へと下ることも可能だったが、土塁には通路トンネルも見えていたので、正規の道があるはずだ。
次々と見えてくる火薬庫を眼下に、上部の通路をどんどんと進んでいくと・・・。

奥には、レンガが積まれた門のような物が現れた。

中を覗き込んでみる。

どうやらここも火薬庫だったらしい。
崩れてしまったのか、建物は現存していないようだ。

築堤の上に登ってみるとこんな感じ。
写真左手に写っているのが、先ほどのレンガが積まれた門みたいなやつだ。

ここから複数個ある火薬庫への正規の道を進んでいく。
少し進むと、火薬庫入り口が現れた。
火薬庫の入り口にはコンクリートで作られた扉が据え付けられている。

土塁を潜るトンネルは石積みの上部をコンクリートで固めた構造だ。
旧軍が作った火薬庫とは雰囲気も違う。

土塁の内部へ進んでいくと、そこには石積みの小さな火薬庫が。
周囲の広さに比べると、やけにコンパクトな気もするが、それでも造りは立派なものだ。

木造であっただろう屋根部分は無くなっているが、それ以外は痛みも少なく当時の面影を保っている。

ちなみに、土塁の内側にもこのような扉が据え付けられていた。

土塁の内外を結ぶ通路には碍子が残されていた。

続いてお隣の火薬庫へ。
今度は先ほどより大きめの建物が。

石積みの意匠が素晴らしい!!!

建屋の内部は先ほどと同様にがらんとしていた。

足元には外れ落ちた窓枠が転がっていた。

火薬庫の床下には空間があるようだ。
先ほどの火薬庫も同様の構造だろうが、落ち葉で埋もれてよく確認できなかったが、ここのは分かりやすい。

覗き込んでみると、向こう側まで貫通しているのが確認できた。

続いてお隣の火薬庫へ。

土塁に続く通路の真ん中には排水溝のような物が。
さっきまでは床に落ち葉があって分からなかったが、こんな構造になっていたのか。

土塁内の建屋はひとつ前の物と同じ造りのようだ。

こちらは、窓の木枠が落ちずに残されている。

内部には、崩れた屋根部分の残骸だろうか、木片が散乱していた。

そして、一番奥側の最後の火薬庫へ。

今度は先ほどとは違い、レンガ造りの建物のようだ。

並んでいる火薬庫で、建物の意匠が違っているのは珍しい気もするが、建てられた時期の違いによるものなのかも知れない。

窓枠周辺の処理は、旧軍が構築した弾薬庫に酷似している。
と言うより、レンガ積みだからこの部分は強度を保つために似たような構造になるという事か。

窓から内部を覗いてみる。
向こう側の壁の上部には、通気口の木枠も残っているようだ。

うん、なかなかいい状態で残ってる。
このような遺構に興味を持っている人がどれだけいるのか分からないが、このまま眠らせておくのはもったいないなと思う。

一通りすべての火薬庫を見て回ったので、土塁をよじ登り上側から火薬庫を見ながら帰ることに。

上から見下ろす姿もいい感じだ。

こうやって上から見てみると、かなりきれいに整備されているような印象を受ける。

中央二つの火薬庫は造りは一緒だが石積みの色が全然違う。

小さい弾薬庫の裏側には土砂が流れ込んでちょっと埋没していた。

このまま山の斜面を登り、道路がある方向へと進んでいくと、やがて眼下道路が見えてきた。
このあたりから登って行っても、柵越えせずに火薬庫にたどり着けそうだ。

ということで、ただの見学と言う感じの今回の探索だが、時期を変えるとまた違った雰囲気が楽しめそうなので、近くに来た際にはまた立ち寄ってみようと思っている。
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