かつては登山国道として有名だったこの道も、今では甲子(かっし)トンネルが開通し、車で難なく超えることが出来る。

ちなみに今回の目的は甲子トンネルではなく、その東側に位置する、この、きびたきトンネルだ。
坑口には、災害発生時に進入を止めるためだろうか、信号機が設置されている。
そして、このトンネルの内部には、とても面白い構造が残されているという。
と言っても、見た目は普通のトンネルだ。
でも角度を変えてみると・・・。

ななな、なんと!!
坑口のすぐ横に旧トンネルが!!!!
いや、まあ、こんなのいくらでもあるし、これがその面白い構造では無い。

この旧トンネル、意匠を見てもらえれば分かる通り、かなり新しいトンネルだ。
きびたきトンネルの旧道区間には3本のトンネルがあるのだが、平成14年の台風による大雨で地層がずれ、復旧されることも無く廃止されてしまったのだ。
中に入ってみたいが、完ぺきな閉塞。
内部に通じているだろうドアがあるが、もちろん施錠されていた。

という事で、トンネルの反対側へ行ってみる事に。

これが、きびたきトンネル、東口坑口。
反対側にあった信号機は、こちら側には設置されていない。
トンネル内の道路は、緩やかに右手にカーブしているようだ。
早速内部を見に行ってみることに。

トンネル内部にあった銘板。
廃止された旧3本のトンネルの役割をこの1本で担う、900m近くもあるトンネルだ。

緩やかに右にカーブしていたトンネルだが、しばらく進むと突然左手へと進路を変える。
そして、その進路を変える部分には・・・。
!?
ん??何かが見えているぞ。

道路を渡り、中をのぞき込む。
すると、現トンネルの脇に旧トンネルの残骸(!?)が。

振り向くとこんな感じ。
この場所は坑口から150m程度しかないので、坑口の光が入り込んでいる。
なるほど、旧トンネルを廃止した後、この部分から大きくカーブして新たなトンネルを掘削したという事か。
旧トンネルと新トンネルの間の壁は、もちろん後から設置されたものなのだろう。

旧トンネルには、扉が設置されている。
上ががら空きなので入れないことは無いが、入ったとしても新しめの廃止トンネルだし、どのみち向こう側に抜けられないことも分かっているので、中を覗くだけにした。
と言うより、単独でここを越えた場合、戻れなくなる可能性が高そうだったのだ。

そこで、5m程度伸びる特製一脚に、360度カメラと懐中電灯を取り付けて、内部を覗いてみると・・・。

内部はがらんとしており、何も使用されていない様子。
時期的なものもあると思うが、湿度がかなり高く、懐中電灯の明かりをかなり暗くしないと真っ白く反射して何も映らない状態だった。
このトンネルの長さは300mも無いはずだ。
なのに、風の流れを全く感じない。
内部に滞留しているこの湿度の高さから考えても、恐らく向こう側の坑口はしっかりと隙間なく塞がれているのだろう。
でも、こちら側に管理のためのドアがあるので、きっと向こう側にもドアは設置されているはずだ。

ちなみに、このトンネル内分岐部分は東側坑口上部に設置されたカメラで監視されている。
もちろんこの部分にあるカーブでの安全を監視しているのだろうけど。

トンネル内部に残されていた、旧きびたきトンネルの銘板。
高さは現トンネルと同様の4.7mだが、道幅は1m程狭かったようだ。

ということで、その界隈ではかなり有名な物件なので、実際に見に来たのであった。

このまま横浜に戻るのもつまらないので、ちょっと足を延ばして猪苗代湖で温泉でも漬かってから帰ろうと、国道121号線を北上することに。
すると、前方に補修中の橋が見えてきた。

近づいてみると、どうやら再塗装工事の真っ最中のようだ。

足場の外側に板を設置しているのだろうか!?

見た目のインパクトが凄すぎる。

圧巻の光景に、思わず何枚も写真を撮ってしまった。

周囲を見渡していると、板の内部へと通じていそうな空間が!
もちろん施錠されていて入れないが、内部の様子もとっても気になる。

まだしばらくはこの姿が見られそうなので、東北地方に来る際は、またこの道を北上してみようと思う。

というか、この時期でも東北地方の山間だと涼しく車中泊できるので、夏はどうしても東北方面ばっかり来ている気が・・・。
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